■新たな「だし」の探求へ
和食に欠かせないのが、だしの存在。
昆布やかつお、煮干しなど、日本人は魚介類から様々なだしを抽出してきました。
人の探究心は、世代を超えて受け継がれるもの。
「もっと美味しい出汁を摂れる魚介類はないか?」
そう考えた私は、辺りを見回しました。
・・・・・
!!!
魚介類だ!!しかも種類がいっぱい!!
こんなに沢山の魚介類であれば、さぞかし味わい深いだしがとれる事でしょう。
どう考えても、これからの和食をリードする革命的なだしがとれるはずです。
そんなわけで、魚介類の宝石箱、「おっとっと」でだしをとってみました!!
■さっそく、だしをとるぞ!
今回は水出しという、水に一晩漬けてだしを取る方法を採用しました。
水の入った瓶におっとっとを入れます。
時間が立つにつれてだんだんおかしな図になってきたけれど、気にしない。
一晩つけてだしの抽出を完成した状態がこちら。だいぶふにゃふにゃです。
しかし、見た目はアレでも味はピカイチなんてことはザラにあるトリッキーな世の中。
気になるそのお味をみてみましょう。
■「おっとっとだし」のお味は…?
一晩かけてとった「おっとっとだし」はいかなる味なのか。口にしてみます。
ごくん。
・・・・
・・・・
おっとっとウォーターや!!(当たり前だ
最近流行のフレーバーウォーターと同じぐらい、おっとっと風味の水という味わいです。
見た目によらず受け入れ可能な味ですが、これだけで美味しいとは言いがたい味です。
しかし、だしの旨味成分であるグルタミン酸ナトリウムだけ食べても決して美味しくはないハードモードな世の中。
それに、だしは料理に加えてこそ真価を発揮するもの。
そこで、この「おっとっとだし」を使って、日本人の心であるお味噌汁を作ってみることにしました!
■「こんぶだし」vs「おっとっとだし」
念のための比較対象として、市販の「こんぶだし」で作ったお味噌汁も用意しました。
左がおっとっとだし、右がこんぶだしです。見た目は瓜二つですね!
さっそく、頂いてみましょう。
ぜったい、革命的「おっとっとだし入り」の方が美味しいに決まっている!
将来は、「おっとっとだし風味」なんてフレーバーだって登場するに違いない!
今のうちに特許申請しとかなきゃ。るんるん・・・
まずは「おっとっとだし」のお味噌汁を、ごくり。
・・・むむ!
まず、湯気がおっとっとの香り。圧倒的おっとっと。
お味は、口にいれた瞬間おっとっとの香ばしさがほんのり広がり、味噌との新規的マリアージュを実現している印象。香ばしさの次は、塩味と油分が残り、お菓子っぽい味噌汁としてニッチな立ち位置を確立しそうな一品です。
続いて、対照としてのこんぶだしのお味噌汁を飲みます。
ごくり。
昆布だしうめぇぇぇぇぇ!!!
つやがあって、お上品。これぞ旨味と塩味の相乗効果!!これぞ日本の心!!
残念ながら、こんぶだしの圧勝を認めざるを得ませんでした。
こんなにも
こんなにも!!
いろんな種類の魚介類が含まれるものでだしを摂ったのに、なぜこんぶだしに敗北してしまったのでしょうか…?
こうなったら最後、味覚センサーレオで、だしとしての能力の高さを検証です!!
■「おっとっとだし」敗北の理由を味覚センサーで分析
最近TV出演機会も多く着々とファンを獲得しつつある、イケメン味覚センサー「レオ」。
こちらを使えば、食品の基本5味、甘味・旨味・塩味・酸味・苦味を数値化できます。
このセンサーで「おっとっとだし」と「こんぶだし」を分析してみると・・・
「おっとっとだし」は、旨味がほとんどなく、塩味が強いという衝撃の事実が発覚しました!!
ちなみにこんぶだしの分析結果はこちらで、旨味がグンと強いです。
おっとっとだし・こんぶだしを並べてみると、
「おっとっとだし」は深刻な旨味不足・・・!!
だしの神髄は旨味。だしをだしたらしめているのは旨味。
旨味なきだしは、だし失格・・・
どうやらおっとっとからは旨味が抽出できない、つまりだしは取れないようです。
やはり、魚を見た目だけで判断するのは間違っていました。
「魚は見た目が9割」と、かつて耳にしたキャッチフレーズは噓だったのでしょうか。
みなさんも、突飛な探究心にはフタをして、おっとっとは乾いた状態で美味しく頂きましょう・・・!
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