2018年5月、欧州委員会はプラスチックの製品の大幅な削減を決定しました。2025年までに、プラスチックの飲料ボトル90パーセントを撤廃するとともに、綿棒や使い捨てのカトラリー、ウェットティッシュなど10商品の生産や使用を削減するとしています。
その10商品の中には、ストローもあります。世界各国で、日常的に使われているプラスチック商品の代替となる素材の開発が進められていますが、ストローの代替となる意外な食材が登場しました。
それは、パスタです。
世界各地で広がる「プラスチックフリー」キャンペーン
今年の夏、インスタグラムを中心に世界中で「プラスチックフリー」のキャンペーンが実施されています。
イタリア南部のプーリア州は、美しい海が有名で欧州のバカンス地として大人気。このプーリア州の海岸で、2万本のプラスチック製のストローを節約しようと始まったのが「ストローフリー」の運動です。その代替品として登場したのが、「ジーティ」と呼ばれるパスタ。
このパスタ、おあつらえ向きに中が空洞となっている形状が特徴です。直径が大きいため、水分を吸い込むことも可能であることからストローの代替品として注目を浴びているのです。
紙製では脆く、金属製では高額になるストロー
また、英国のブリストルやロンドンにあるレストランも、プラスチックのストロー使用停止を宣言しました。レストランでは、当初は紙製のストローを使用したものの、脆くて使いにくいことが判明。また、金属製のストローの導入も検討しましたが、こちらはあまりに高額であることからあきらめざるをえませんでした。
そして、彼らが目をつけたのがパスタの「ジーティ」です。耐久性にも問題なく、価格も抑えられるパスタのストロー、インスタグラムにも登場して話題になっています。
英国のマクドナルドは、2019年にストローを撤退する予定
この動きは、ファーストフードにも及んでいます。
英国では、プラスチックのストロー撤廃を訴える50万人の署名が集まったそうです。これを受けて、英国内のマクドナルドでは今年の9月から紙製のストローの使用を開始し、2019年までにプラスチック製のストローを全廃すると発表しました。スターバックスも同様の動きをしています。
プラスチック製の商品の削減は、まずは身近なストローから世界的な広がりを見せています。
参考:
Cannucce di pasta per dire addio alla plastica: l’iniziativa di due locali inglesi. McDonald’s annuncia il passaggio alla carta in UK
Cannucce con la pasta: gli ziti (e altre alternative) per dire stop alla plastica
Via le cannucce di plastica, locali e festival ‘straw-free’