トーストにチーズをのせて焼くとき、何のためらいもなく「とろける」チーズを使いますよね。
誤って「とろけない」チーズを乗せてしまうと・・・
こんな風にパリパリとした残念なトーストになってしまいますね。
見た目は瓜二つなのに、一体何が違うのでしょうか。
「とろける」チーズと「とろけない」チーズ。
その違いを、一目で分かるようにお伝えします!
■「とろけやすさ」の違いを一目で見ると・・・
「とろける」チーズと「とろけない」チーズの違いは、その名の示す通り「とろけやすさ」の違いにあります。
この「とろけやすさ」は何で決まるでしょうか。
もう少しチーズを凝視してみましょう。
「・・・・」
もちろん、このように凝視しても肉眼には限界があります。
でも実は、チーズを超拡大すると、こんな風に様子が違うんですよ!
「・・・??? 意味分からん!」
その通りですね、でもこの記事を読み終えるころにはきっと理解できていることでしょう。
手始めに、チーズのでき方に注目してみましょう!
■すぐわかる!チーズのできかた
あなたの食べているスライスチーズのチーズは、超ざっくり言うとこんな5ステップで作られます。
1)生乳を殺菌!
2)乳酸菌と乳を固める酵素(レンネット)を添加!
3)固形になった部分を集める!
4)食塩水につける!
5)成熟させて完成!
こうして完成したチーズを超拡大して見ると、こんな様子です。
さっき見た謎の抽象画と似ていると思いませんか?
そう、「とろける」チーズの方に似ていますね。
実はこの5ステップで作られるチーズは、「とろける」方のチーズなのでした。
では、「とろけない」チーズはどうやって作られているのでしょう?
■「とろける」から「とろけない」へ
先ほどの工程には、追加の3ステップがあります!
6)5)で出来たチーズを溶かし直す!
7)乳化剤を混ぜる!
8)今度こそ完成!
もう一度だけ、完成したチーズを超拡大してみましょう。
・・・これは!!「とろけない」方の抽象画と合致・・・!
あなたはそろそろ、お分かりでしょうか?
■「とろけやすさ」の正体に迫る!
このように、「とろける」チーズと「とろけない」チーズは、途中までのプロセスは同じなものの、微妙に作られ方が違います。
「とろけない」方が、ちょっとステップが多かったですね。
このステップによって何が変わっているかというと、分子の細かさです。
チーズを超拡大すると、脂肪やタンパク質や水の分子が発見できます。
「とろけない」方は、「とろける」チーズにある分子のばらつきが整えられ、分子と分子の隙間がギュッと狭くなっています。
さっきから登場している抽象画は、分子の並び方の図だったのです。
分子と分子の隙間が狭くなると、だらーんととろける余地がなくなり、結果「とろけない」チーズになるのです。
「とろけやすさ」の正体、お分かり頂けましたか!?
チーズはすべてとけそうなイメージがありますが、そうでもないんですね。
これだけ違うと、味覚にも差がありそう。
ぜひあなたも、いろんなチーズを溶かしてみてください。
そして、その結果を見て、分子の予想図を描いてお送りください!
お待ちしております!
*こちらの記事もどうぞ♪
今まで30円分損してた!?―知ってトクするおにぎりの美味しい食べ方
味覚のおもしろ話がいっぱい!
FacebookとTwitterで、味博士をフォローしてね!
当ブログでは、味覚に関する企画を募集しております。味博士に聞いてみたい味覚の謎、気になるおいしい食べ合わせなど何でも結構です。ご気軽に問い合わせフォームまたはコメント欄にご意見をお寄せ下さいませ。
【「味覚力」を鍛えれば病気にならない (講談社プラスアルファ新書) [新書]】
■鈴木 隆一 (著)
■講談社プラスアルファ新書
■税込¥ 905