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「おいしい水」の条件とは?水のおいしさを示す方程式があった!

「おいしい水」の条件とは?水のおいしさを示す方程式があった!

水の味の違いの正体とは?

天然水はおいしい、水道水はイマイチといったように、水によって味やおいしさが異なることは経験的に確かです。

しかし水は無味無臭無色の、トリプルAならぬトリプル無。甘味成分である糖分や旨味成分であるアミノ酸のような、味のする成分が直接含まれているわけでもありません。

水のおいしさとは一体何によって決まるのでしょうか。ミネラルウォーターのパッケージに書かれている「マグネシウム」や「カルシウム」みたいなものが関係するのでしょうか。

今回は、この”おいしい水の定義”問題に、統計を使って決着をつけようとした事例をご紹介します!

「日本の名水」から水のおいしさに迫る

ひとつめの事例は、日本でおいしい水と定められている水の組成を元に人工合成した水を使って、おいしさの秘密に迫った例。

あらゆる水には、マグネシウムやカルシウム、ナトリウム、カリウムなどのミネラルや無機塩類と呼ばれる成分が含まれています。

日本各地の水や市販のミネラルウォーターの中に含まれるミネラルや無機塩類の濃度はそれぞれ異なります。言い換えれば、これらの成分を完コピして水(H2O)の中に混ぜれば、それぞれの水が再現できると言えます。

大阪大学工学部の研究者らは、日本でおいしいと言われている12種類の水と市販のエビアンの水の計13種類の水を人工合成し、その美味しさを調べる研究を行いました。まずは13種類の水を効き水が得意な人に飲んでもらい、ランク付けをしてもらいました。

次に、13種類の水への評価とそれぞれの水に含まれる成分値から、おいしさに関係する成分を統計的に見つけたところ、「カルシウム」「カリウム」「二酸化ケイ素」の3種類がおいしさに関係していることがわかりました。一方で水の味を悪くするのに関連する成分は「マグネシウム」「四酸化硫黄」といった成分であることがわかりました。これらの成分のバランスが極端に偏ることで、味の良し悪しが左右されるようです。

さらに、この結果を発展させて、おいしい水の方程式を生み出しました。

それぞれのミネラル分の濃度(mg/l)を代入して、OI値を算出します。このOIの値が高いほど、おいしい水であると言えるようです。

水の味は5つの要素で知覚されている?

さらに別の事例を紹介します。こちらは雪印乳業の研究者が行った研究で、今度は日本各地で採取した28種類の湧水を利用して行っています。先ほどと同様に、これらの水を効き水が得意な人に飲んでもらい、25種類の形容詞から当てはまるものを選択してもらいます。

(画像:元論文「多変量解析による自然水の味の解析と成分によるおいしさの判別」より)

これらを因子分析という方法を用いて分析した結果、「清涼感」「口当たり」「におい」「後味」「渋味」という要素に分類できることがわかりました。すなわち、水の味として私たちが感じているものは、この5つで成り立っていることがわかったのです(65.7%の一致率)。

さらに、28種類の水への評価と、それぞれの水に含まれる成分値からおいしさに関係する成分を分析した結果、「酸素」「ケイ素」「炭酸水素」の3種類がおいしさに関係するとされ、特に「ケイ素」が重要であるらしいことが示されました。

これはひとつめの事例でも「二酸化ケイ素」が挙げられていたことと類似する結果ですね。さらに、水の味を悪くする成分は「マグネシウム」であることが示され、こちらも先の結果と一致します。

こちらの研究でも、同じようにおいしい水の方程式が編み出されました。

それぞれのミネラル分の濃度(mg/l)を代入し、Indexの値が正であればおいしい水、負であればおいしくない水として判断できるようです(正答率は81.5%)。

評価者の特性や水サンプルによる違いはあるものの、これらの研究から、水のおいしさには「ケイ素」や「マグネシウム」が強く関係していることが考えられます。濃度がわかっている水についてこれらの方程式に当てはめてみることは、水のおいしさをある程度推定する基準になるでしょう!

参考:
ミネラルバランスからの飲料水の水質評価に関する研究 (第1報) ミネラルウォーターの調製と官能試験
多変量解析による自然水の味の解析と成分によるおいしさの判別

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