■外国人と接するチャンスは多い
筆者は最近、電車の座席に座った際に、右手から英語、左手から中国語、正面に立っている人はフランス語が聞こえてきて、ここがどこの国なのか一瞬分からなくなりかけました。
東京オリンピックも控え、日本には今後ますます外国人が増えていくことが予想される中、外国人と一緒に仕事や何か活動をしたりする機会は、他人事ではなくなってくるでしょう。
もちろん、言語で円滑な意思の疎通をすることは大切です。
しかし、外国語が下手でも、人から思いやられることへの喜びは万国共通なのではないでしょうか。
そこで今日は、外国人と食事をする時の、ささやかな思いやり方を伝授します!
■お店選びに役立つ味覚の知識
食事を共にするというのは、人と人が親しくなる上で重要なことです。
たとえ話が弾まなくても、同じ空間で同じテーブルで食事をとるのは、そうしない場合と比べて相手との心的な距離感に影響します。
そんな食事の機会、できれば良いお店で良い印象を残したいですよね。
お店選びの際には、雰囲気はもちろん、「何を食べてもらえば喜んでもらえるか?」を正しく予想できることが重要です。
長年住んでいる外国人は別として、まだあまり日本の事を知らない外国人にとって、「ここにくれば美味しいものが食べられる!」と思える店を提案されるのはとても嬉しいはず。
そのためには、日本と外国の味覚の違いを知って相手の味覚を思いやることが大切なのです☆
■外国人と日本人の味覚の違い
□中国人・韓国人の味覚
中国人は韓国人は、炭水化物としてコメを食べる点や豆の発酵食品を好む点は日本人と同じです。
しかし、タンパク質に関しては肉食文化が根強いのと、味付けについても薬味ではなく香辛料に親しみがあります。
このため、魚よりは肉、薄味のものや素材の味を活かすようなタイプのものより、味付けが刺激的なものの方が好まれるでしょう。ダシが効いているものも◎です!
この時期だと、すき焼きはいかがでしょうか♪
□アメリカ人・ヨーロッパ人の味覚
欧米人も圧倒的な肉食文化な点は同じですので、魚よりは肉がオススメです。
また、甘味に関しても大きな違いがあり、日本人の甘味を築いてきたのはお米であるのに対し、欧米人の甘味を築いてきたものは砂糖です。
砂糖はお米に比べて甘さが強いので、欧米人は甘さがハッキリしているものを「おいしい」と感じます。このため、甘味が強いものが好まれるしょう。
さらに、日本人の味覚は醤油や味噌といった塩味×旨味型で作られて来たのに対し、欧米人はソースという酸味×旨味型で作られてきました。このため、酸味×旨味タイプの味付けが好まれるでしょう。
具体的には、デミグラスソースを使ったオムライスハンバーグなんかが良いかもしれません!
□インド人の味覚
炭水化物としてはナンやパン、地域によっては粘り気のないコメが食べられているため、甘味の感度に関しては、砂糖文化圏よりは日本と遠くありません。
大きく違うのは、香辛料の多用と、油や乳製品を好むことです。
また、南インドの方では魚介類も食されるため、魚を好んでくれる可能性も高いです!
このため、思い切って魚介系、でもオイルベースでスパイスが加えられているタイプを提案してみるのはいかがでしょうか。
日本では様々な料理が食べられることを利用して、ちょっと洋風な白身魚のバジルオイルソテーなんかをオススメしてみてもいいかもしれません!
これらは、各地の食文化の歴史から考察される一般的なパターンのお話です!
もちろん、味覚には個人差がありますので、何が好みかを相手に聞くのが一番です。
しかし、こうしたパターンを覚えておけば、お店選びに困った時に役立ちますし、相手が好きな料理の中でもより好まれやすい味のものを提案できますよ!
おいしいものを一緒に食べれると、あなたとの時間が「楽しかった時間」として記憶されるため、いわば”一緒にジェットコースターに乗ると相手を好きになる”と近い原理で、あなたの印象もアップする事でしょう♪
*外国人ウケは、「親しみやすい味」なのが大事!
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