中国では、シャリの上にシュウマイ。
フランスでは、マンゴー上にフルーツ。
・・・・・・?
海外におけるSUSHIには、私たちにとっては一見珍しい、自国の食材を活かしたネタが沢山見受けられます。
元々は魚介類を合わせるはずの寿司が、なぜこんなにも進化してしまったのでしょうか。
今日は味覚の面から、食の文化交流について考えてみます。
海外のSUSHIも個性的ですが、日本にも外からみたら不思議に見えるものがたくさんあるのです。
あんぱん、オムライス、たらこスパゲティなどは、日本人化されて生まれた食べ物です。
たとえば、あんぱんについては、こんなふうに誕生しました。
今ではパン食の日本人も増えていますが、はるか昔の日本人は圧倒的コメ食だったので、パンが全然普及しませんでした。
そのような状況下で、木村屋の創業者である木村安兵衛が、「パンは主食としてではなく、菓子としてなら普及するはず・・・!」という天才的ヒラメキのもと、日本人になじみのあるあんこをパンと合わせてあんぱんを作りました。
結果、見事に大ヒット・・・!!
この例からも分かるように、全く新しい食べ物というのは、すぐには受け入れがたいものなのです。
また、日本人は旨味の、欧米人は酸味の感受性が高いなど、人種によって味覚も違うため、日本人の「おいしい」と欧米人の「おいしい」は必ずしも同じではありません。
しかし!新しいものに身近なものが組み合わさっていれば、新しいものにも親しみを感じる事ができます。
ある食べ物への親しみの有無は「おいしい」と感じるために必須なので、こうした工夫は普及させるためには必須なのです!
海外のSUSHIが日本の寿司と違いすぎる理由は、寿司という全く新しい食べ物を、身近な食材と組み合わせて現地の人に親しんでもらうためだったのですね!
こうした架け橋が、寿司を好きになるきっかけを作っていたのですね。
世界の寿司ブームも、現地のアレンジなしでは生まれていなかったかもしれません。
SUSHIが今後どのように進化していくか、楽しみですね!
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