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抗生剤なき現代の新常識!?チャイとシナモンロールでティータイム

抗生剤なき現代の新常識!?チャイとシナモンロールでティータイム


ホッと一息リラックスタイムに何を選んでいますか?コーヒーとクッキー?日本茶とおせんべい?でもこの記事を読んだら、これからはスパイシーなチャイとふわふわ甘〜いシナモンロールをチョイスするようになるかもしれません。

実は、シナモンに含まれるシンナムアルデヒドに、歯周病を引き起こすネバネバ菌などをやっつける働きがあることがわかったのです。

感染症で2050年には死者増大!?

例えば、なんらかの理由で血液中に入り込み、尿路感染症や多臓器不全、敗血症を発症させる緑膿菌。身近な例では、コンタクトレンズ使用時の角膜感染症なども緑膿菌の仕業です。

この菌は空気中や腸内にあり、私たちが元気なときには何もしでかしません。でも体調を壊して体力がなくなると、ここぞとばかりに暴れまわることがあるんです。

緑膿菌による感染症は、これまでは抗生物質を飲むことで治っていました。でも「とりあえず抗生物質」と安易に抗生剤を乱用しすぎた結果、緑膿菌は抗生物質に対抗してパワフルに変身!多剤耐性菌(スーパーバグ)となり、強力な抗生物質に負けないパワーを持ってしまったのです。

その結果、本来なら抗生物質で治るはずの病気で現在毎年70万人もの死者を出す事態となっています。さらに、このまま抗生物質に変わる新しい抗菌剤が開発されなければ、2050年には世界で1000万人の人が亡くなるという恐ろしい予測も[*1]。

私は健康だから関係ない?いいえ、そんなことはありません。耐性化を強めた菌は、免疫力が落ちた人はもちろん、比較的体力のある人にでも菌を発生させて重症化させるのではないかと恐れられているんです。

シナモンが細菌を成長させる保護膜を破壊

でも、ここで朗報が。オーストラリアの研究者がシナモンの味と香りの素であるシンナムアルデヒドが抗生物質にとって変わる抗菌剤であることを証明しました。

実はこれまでもシナモンは、カンジダなどに対して殺菌作用がある[*2]、とされてきましたが、エビデンス不足から製薬会社が製品化するまでには至っていませんでした。

今回発表されたオーストラリアでの研究は、虫歯や口臭、歯周病の原因となる細菌を保護するバイオフィルムをシンナムアルデヒドが破壊することを証明しています[*3]。

バイオフィルムは歯だけに現れるのではありません。心臓のペースメーカーや人工関節、尿路カテーテルでも、細菌はバイオフィルムに保護されつつ成長しているのです。今まで効果があった抗生物質が効かないとなると、患者さんはとても悔しいですよね。

でも、シンナムアルデヒドがバイオフィルム阻害剤となることが証明されたので、製薬会社も製品化に踏み切ってくれるのではないでしょうか。

研究者の願いもそこにあります。

シンナムアルデヒドは、緑膿菌やヘリコバクター・ピロリ菌にも効果があることがわかっています。シンナムアルデヒド薬ができて、感染症に悩む患者さんが1日も早く回復に向かってほしいですね。

抗生物質に変わる新薬ができるまでは?

とは言っても、シンナムアルデヒドの研究結果がオンライン発表されたのは2018年7月12日のこと。新薬となるかどうかの判断もまだなされていません。

抗生物質も効かない、とって変わる新薬もない私たちの自己防衛手段は、シナモンを食生活に取り入れること。

例えばカフェではシナモンのトッピングをチョイスしたり、トーストにパラリとふりかけたり、ガラムマサラや五香粉を使った料理を作るなどすると良いでしょう。

もちろん必要とされるシンナムアルデヒドの量には及ばないかもしれませんが、漢方やアーユルヴェーダにも取り入れられているシナモンなので、健康を維持促進することはできるはず。

シナモンを摂ることで、抗生物質の必要がない健康体を作り上げていきたいですね。

(注) ただしシナモンは、種類によってはクマリンを多く含むことがあります。肝障害を起こす危険性があるので、多量の摂取は控えましょう[*4]。

参考:
*1 厚生労働省「厚生科学審議会感染症部会薬剤耐性(AMR)に関する小委員会」
*2 NCBI「Cinnamon bark oil, a potent fungitoxicant against fungi causing respiratory tract mycoses.」
*3 Microbiology Society「Cinnamaldehyde disrupts biofilm formation and swarming motility of Pseudomonas aeruginosa」
*4 食品衛生の窓「シナモンを含むサプリメントの過剰摂取にご注意」

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