ベジタリアンの食事法で突然死の1/3が予防できる!?

「菜食主義」というと健康に良いイメージがありますが、驚くべきことに、突然死すらも防げるという主張が話題になっています。

4月26日から2日間、バチカンで開催されたグローバルケアに関する会議「第4回バチカン医療会議(Unite to Cure Fourth International Vatican Conference)」において、ハーバード大学医学大学院(Harvard Medical School) の研究者たちが行った研究報告。

それによると、ベジタリアンの食事方法は突然死の33%を回避できるのだそうです。

野菜を中心とした食事方法の利点がいかに過小評価されているかを研究者たちはとくに強調しました。今回の研究の対象となった「菜食主義」は、「ヴィーガンである必要はない」とされています。

菜食主義にまつわる研究報告

世界各国の著名な医学人が参加したこの会議で、議長を務めたのは健康科学の大家ニール・バーナード博士でした。

バーナード博士は、「菜食中心の食生活は減量という目的を持つ人々だけではなく、あらゆる面においてメリットがある」と主張。

数年前にオックスフォード大学が行った研究では、菜食中心の食生活により心臓病の発症率が32%減少したという結果も出ています。

また、最も新しい研究結果では『Psychosomatic Medicine』誌に載った記事が注目されています。それによると、1日に3回以上果物と野菜を摂取した人は、血中のβカロテン濃度が上がり、癌の発生率の低下が期待できるのだとか。

1日中パソコンの前で仕事をし、帰宅後はご飯を食べて風呂に入ってそのまま就寝……意識しないと運動量が少なくなりがちな現代人の生活。食べるものに気をつけることの重要さを痛感するような結果ですね。

フレキシブルな「菜食主義」

ここ数年はニュースなどの影響で、ベジタリアンやヴィーガンになろうと試みる人も増えたのではないでしょうか。しかし、結局のところ「フレキシタリアン」と呼ばれる食生活に落ち着く人が多い気がしています。

フレキシタリアンとは、菜食が中心だけれども肉や魚のたまさかの摂取は拒まないという非常に人間的な食事方法です。

厳格な菜食生活はストレスがたまるもの。よほど強い概念や信念の持ち主であれば別ですが、菜食生活を試みる人は健康を考慮してという理由が圧倒的に多いでしょう。健康目的で純粋な菜食主義になるというのは、ちょっと厳しいものがありますよね。

英国だけでこの「フレキシブルな菜食主義者」が過去2年間で220万人も増えたという調査報告もあります。

このフレキシタリアンが増えるにつれ、もともとこの傾向があった「地中海式食事法」が見直されてきました。普段は豆や野菜をたくさん食べるけど、たまには肉と野菜、そしてワインを飲む、といういかにも人文主義を生んだ地中海らしい食文化ですね。

今回、バチカンで研究発表を行ったハーバード大学医学大学院のウォルター・ウィレット教授は、今後の研究によってはこの33%という数字が上昇する可能性も否定できないと述べたそうです。

参考:
https://www.pressreader.com/south-africa/the-independent-on-saturday/20180505/281947428477561
Unite To Cure A Global Health Care Initiative
EXERCISE IN THE TREATMENT OF MAJOR DEPRESSIVE DISORDER: STILL A LONG WAY TO GO

関連記事:
「寝る○時間前までにご飯を食べないと太る」←必ずしもそうとは限らない
ダイエットには「低脂肪」or「低炭水化物」?答えは“どちらでもない”
野菜の摂取量増加にはキャベツの千切りが有効!?

食×科学カテゴリの最新記事