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「寝る○時間前までにご飯を食べないと太る」←必ずしもそうとは限らない

「寝る○時間までにご飯を食べないと太る」というのは、ダイエットを意識する人がよく発する言葉のひとつだと思います。

一般的に、日中のエネルギー消費量や基礎代謝量と比べると、就寝中はエネルギー消費量が少なくなります。そのため、夕食を食べてから寝るまでの時間が短い人が、長い人に比べてエネルギー消費量が低くなることで肥満につながりやすくなるというのは、理にかなった話……ではあるのですが、必ずしもそうとは限らないかもしれません。

20〜60歳の成人722名を解析対象として夕食終了から就寝までの間隔を2時間未満、2〜3時間、3〜4時間、4時間以上の4群に分け、生活習慣病の有病状況との関係が調べられた研究があります[*]。

研究では、2時間未満を対照群として腹部肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病予備軍の生活習慣病に関する調整オッズ比が算出されました。それによると、腹部肥満、脂質異常症、糖尿病予備軍に関しては有意差が認められなかったのです。

夕食終了から就寝までの間隔と関連するのは高血圧のみ?

有意差が認められたのは高血圧。対照群に対して3〜4時間、4時間以上の群が低くなったそうです。さらに、対象者を21時より前と21時以降に夕食を摂る人に分けて高血圧のオッズ比を比較した結果、21時以降に食事を摂取する群でも3〜4時間開ける群が有意に低下したそう。夕食終了から就寝までの間隔が長いほど、高血圧の予防につながる可能性があるということですね。

高血圧と夕食終了から就寝までの間隔において関連が示されているのは睡眠時間。睡眠時間が短くなったり、睡眠の質が悪くなることの要因として遅い夕食が挙げられます。また、5時間以下など短時間の睡眠が高血圧のリスクを上昇させるという報告から、夕食終了から就寝までの時間の間隔が短いことで睡眠の質や長さに影響を及ぼし、高血圧のリスクを上昇させるのではないかと考えられています。

また、夕食終了から就寝までの時間が短いことが自律神経やホルモン系に何らかの影響を与えた末に血圧上昇に至るという可能性もあるよう。

自律神経といえば以前に、自律神経と肥満の関連についての記事を掲載しました。肥満者に共通する4つの特徴のひとつに交感神経の機能低下があり、自律神経の低下によって摂取したエネルギーが消費されにくくなるというものですが、これを加味すると肥満につながるというのも考えられなくはないでしょう。

とはいえ、当該研究結果では、指標のひとつにある「腹部肥満」と夕食終了から就寝までの間隔における関連は認められていません。高血圧の要因としての肥満もありますが、同上です。

夜型の食生活は1日のエネルギー消費量を減少させてしまうという研究結果を、以前にご紹介しました。7:00、13:00、19:00の3回に試験食を摂取する朝型と13:00、19:00、1:00の3回に試験食を摂取する夜型のエネルギー消費量のうちDITを比較した結果、夜型のほうがエネルギー消費量が少なく太る可能性が高いというものです。

このことから考えると、「肥満」につながるのは、夕食狩猟から就寝までの間隔よりも単純に夕食を摂取する時間のような気がします。極端な例ですが、夜中の1:00にご飯を食べて、4時間あけて5:00に就寝したとしてもエネルギー消費量は期待できないのではないでしょうか。

夕食の時間による肥満のリスクを軽減させるには、寝る○時間前に夕食を済ませるというよりも、早い時間に夕食を摂るほうが有効かもしれませんね。

参考:*勤労者の夕食終了から就寝時間までの感覚と健康状態との関係

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味博士の研究所 編集部
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