アメリカの心理学会が、少し毛色の変わった研究を発表しました。
昼食や夕食の前に、普段は食後のお楽しみであるデザートを食べると、その後の食事は健康的なメニューを選択する傾向にあることが判明したそうです。
いったい、どのような研究なのでしょうか。
カロリーの高いデザートでも、食前ならばOK!?
普通、レストランでコース料理を食べると、このような順番でしょう。
前菜→一皿目→二皿目→デザート、そしてコーヒーか紅茶。これをさかさまの順番で食べようという人は、なかなかいないはず。
しかし、心理学者が参加した今回の研究では、「摂取カロリーを制限したいと望む人はまずデザートから食べると有効である」と明言されています。
そして、そのデザートはカロリーが高いものでも問題はない、とまで報告しているのです。
学食のビュッフェで調査を実施
米国心理学会は、いくつかの大学の学食で調査を実施しています。
学食はビュッフェスタイルが主流。そこで、研究チームではビュッフェの最初のコーナーにカロリーが高いレモンチーズケーキ、カロリーが高くないフルーツ類を置いてみました。その場合も、コーナーの最後には通常通りにデザートを配置したそうです。
そして、ビュッフェコーナーで料理を選択した学生に協力してもらい、彼らのトレイに乗った料理やデザートの総カロリーを計算しました。
果物を選ぶよりチーズケーキを選ぶ人のほうが健康的?
結果、非常に興味深い事実が明るみに出ました。
ビュッフェの最初のコーナーでチーズケーキを選択した学生の食事のカロリーは、同コーナーで果物を選択した学生および最後にチーズケーキを選択した学生よりも、30%も低いことが判明。
そして、最初にチーズケーキを選んだ学生は、メインの食事を非常に「軽め」にするという共通点も浮かび上がったのです。
罪悪感がなせる「低カロリー食」選択?
とはいえ、心理学者たちもなぜこのような現象が起きるのかはまだはっきりしていないとしています。
最初にボリュームたっぷりのデザートを選んだという罪悪感が自然に健康的なメニューを選択させるのか、はたまた最初に「メイン」ともいうべきカロリーたっぷりのケーキを選んだのでそれ以外はおまけにすぎないという現象なのか、仮説はいくつかあるものの要因は不明。
レストランや宅配サービスのメニューも、冒頭に「デザート」を持ってきてその後に「前菜」をつなげれば、意外とカロリーダウンできるかもしれませんね。