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豆乳の保存は冷蔵と常温、結局どっちなの?その答えは・・・

豆乳の保存は冷蔵と常温、結局どっちなの?その答えは・・・

独特の苦味とまろやかさがおいしい豆乳。豆乳には無調整タイプだけでなく、甘みをつけた調整タイプ、チョコ味や抹茶味といった味つきタイプなどさまざまな種類がありますよね。

ところで、スーパーやコンビニに豆乳を買いに行くと、豆乳の売り方が店ごとに違うことに気づきませんか?スーパーでは箱に積まれて常温で置かれていたのに、コンビニだと必ず冷蔵コーナーにある……など、置かれている温度が店によってマチマチです。

豆乳は結局のところ、冷蔵保存・常温保存、どちらにすべきなのでしょうか?

数日なら常温でOK、長期保存は冷蔵がオススメ

豆乳の保存は冷蔵と常温、結局どっちなの?その答えは・・・

結論からいえば、パッケージに「冷蔵保存しろ」と書いてなければ常温でOKです。ただし1ヶ月近く保存する場合は冷蔵の方が味や風味が長持ちするよう。また、2ヶ月以上の保存となると、賞味期限の日まで品質には問題ないものの、常温で味や風味をキープするのが難しくなってくるようです。

豆乳の保存温度を5度、25度、37度と変えて0〜2ヶ月ほど保存した実験では、いずれの温度でも時間がたっても微生物は検出されず、大きな成分変化はありませんでした。しかし、25度で1ヶ月後はまだ良いが、2ヶ月後になると味やにおいが変わること、37度(真夏)の場合は半月ほどで味の劣化が見られることなどがわかりました。

したがって、買って1〜2週間以内に飲むなら常温保存でも良いですが、1ヶ月2ヶ月と置いておく可能性があるときは冷蔵庫で保存しておく方が良さそうです。また、夏場はすぐに飲む場合でも冷蔵保存が良いでしょう。

豆乳と牛乳で保存性が違う2つの理由

とはいえ、牛乳は賞味期限が短くて冷蔵保存マストなのに、なぜ似たような豆乳は賞味期限が長く常温保存でもOKなのでしょうか。その理由は、豆乳ができるまでの過程にあります。
豆乳の保存は冷蔵と常温、結局どっちなの?その答えは・・・

豆乳が強い理由1:殺菌温度が高い

飲食物の風味が落ちる大きな理由のひとつは、菌の繁殖です。菌の繁殖を抑えられれば食品は長持ちしやすいです。牛乳や豆乳の製造では、高温で加熱して殺菌する工程があります。この時の温度が、豆乳の方が高いのです。

多くの牛乳は120〜130度で1〜3秒ほど殺菌してあり、250円ぐらいで売られてるちょっといい牛乳は75度で15秒など、さらに温度が低いものもあります。殺菌温度が低いほど牛乳の風味が豊かで味はよいのですが、どうしても賞味期限は短くなってしまいます。

一方で、多くの豆乳は135〜150度で1〜3秒ほど殺菌しています。130度と135度はたった5度の違いのようには見えますが、菌たちにとっては致命的なのです。みなさんも、40度のお風呂には入れても、45度のお風呂に入るのは難しいでしょう。
豆乳は殺菌温度が高い。これが長持ちの理由のひとつなのです。

豆乳が強い理由2:無菌充填している

さらに、せっかく豆乳自体を殺菌しても、パックに詰めるときに菌に侵入されたら意味がありません。私たちの口に運ばれるその瞬間まで、無菌を保ってもらいたいものです。

実は豆乳のパックは、牛乳パックとは素材が違って光や空気を遮断するような素材でできているんです。さらに、パックに充填するときには、無菌環境を保てる特別な装置を使って、無菌状態をキープしたまま充填しています。

つまり、豆乳は殺菌されたあとも無菌なので、より長持ちするのです。ただし開封すると、どうしても空気中の菌が入り込むことは防げません。「開封後はお早めに飲みましょう」とあるのはそのためです。

ちなみに、牛乳にも「ロングライフ牛乳」と呼ばれる、常温保存OKの長持ち牛乳があります。ロングライフ牛乳が長持ちするのも、殺菌温度の高さと無菌充填が理由です。

こうした製造の背景を知ることで、常温放置するべきか冷蔵庫に入れるべきかを安心して判断できるようになりますよ!

参考:
保存中の無菌調製豆乳の品質評価指標について

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