【発見】「大豆イソフラボン」は、味噌の中で進化していた!

大豆製品に含まれる「大豆イソフラボン」と呼ばれる成分は、女性ホルモンに似たはたらきをして美容や健康に効果的であると言われています。女性の方の中には、意識的に豆乳を飲むようにしていたり、味噌や納豆を食事に取り入れるようにしている方もいるのではないでしょうか。

近年、この大豆イソフラボン、味噌などの大豆を発酵させた食品の中では、より強力な成分に”進化”することがわかってきたのです。大豆イソフラボンの進化とは、一体何事なのでしょうか。詳しく見てみましょう。

味噌が長持ちする不思議

大豆イソフラボンは女性の味方ではありますが、本来は女性の美容と健康をサポートするために作られているわけではありません。大豆イソフラボンは、大豆にとってメリットがあるから大豆の中で合成されるのです。

大豆にとっての大豆イソフラボンの役割は、抗酸化作用です。抗酸化作用とは、「活性酸素」と呼ばれる有害な物質がDNAにダメージを与えたり、脂質を酸化させることから守るはたらきのことです。大豆には脂質が多く含まれているので、抗酸化物質がなければ、脂質が酸化されてしまい、良い品質を保つことができません。

とはいえ、味噌や醤油って妙に長持ちすると思いませんか?特に味噌は、冷蔵庫で保存すれば大して品質に差がないまま、半年〜1年と持たせることもできます。イソフラボンのような抗酸化物質のはたらきがあったにせよ、これはさすがに長持ちしすぎな感じがして、不思議ですよね。

実は、味噌の長持ちには、”イソフラボンの進化”が関係していたのです!

イソフラボンの進化系

「味噌って長持ちしすぎじゃね?なんかトリックあるんじゃね?」と感じた椙山女学園大学の研究者らは、味噌と納豆、そしてインドネシアの大豆発酵食品であるテンペの抗酸化作用について詳しく調べました。

まず、これらの3種類の抗酸化作用を、蒸煮しただけの大豆の抗酸化作用を比べる為に、40度の暗所に放置して、どのぐらい酸化されるかを調べました。その結果、蒸煮大豆では20日後には2〜4倍にまで脂質が酸化していたにも関わらず、味噌とテンペではほとんど0日目と変わらない酸化のされなさっぷりだったのです(納豆も20日後の酸化はわずかでした)。つまり、大豆を発酵することが、抗酸化作用が強力になることと関係していそうなのです。

そこで、それらの納豆や味噌、テンペに含まれる成分について詳しく調べたところ、新しい物質が3種類発見されました。「8-ヒドロキシダイゼイン」「8-ヒドロキシゲニステイン」「6-ヒドロキシダイゼン」の3つです。これらは、イソフラボンを元にできている物質で、3つまとめて「o-ジヒドロキシイソフラボン」と称します。さらに、o-ジヒドロキシイソフラボンは、発酵に使われる微生物が胞子を作るときにイソフラボンから作られることも明らかになりました。このo-ジヒドロキシイソフラボンこそが、イソフラボンの進化系なのです!

o-ジヒドロキシイソフラボンの抗酸化作用はイソフラボンよりも強力で、食品中に含まれる量も、時間が経っても減らないという特徴があります。つまり、開封してもいつまでも抗酸化作用がはたらきつづけるために、品質が劣化せずに保存することができるのです。研究者らの実験によれば、30度で9ヶ月保存してもo-ジヒドロキシイソフラボンの量はほとんど変わっていなかったようです。

o-ジヒドロキシイソフラボンのはたらきはまだまだ未解明なことが多いですが、私たちが味噌や納豆を食べてo-ジヒドロキシイソフラボンを摂取することで、私たちの体にとっても通常のイソフラボンよりもさらに良い効果をもたらしてくれるかもしれません!

参考:
味噌中のオルトジヒドロキシイソフラボンとその抗酸化性
大豆発酵食品におけるo-ジヒドロキシイソフラボンの形成とその抗酸化的役割

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