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乳酸菌を生きて腸まで届けるためには○○が有効?

乳酸菌を生きて腸まで届けるためには○○が有効?

「腸内環境を改善したい!」そう考えたときに脳裏を過ぎるのが乳酸菌の存在ではないでしょうか。乳酸菌が含まれている食べ物といえば、ヨーグルトやチーズ。他にも味噌や麹といった発酵食品にも含まれており、菌のはたらきを強めた商品も存在しますね。

しかし、これらの乳酸菌には違いがあります。ヨーグルトやチーズは動物性乳酸菌、味噌や麹は植物性乳酸菌。食べ物は食道→胃→小腸→大腸と消化器を通過していきますが、植物性乳酸菌は動物性乳酸菌に比べて胃での生存率が低く、ただでさえ難しい「生きて腸まで届ける」ことの難易度がさらに上がるんです。

乳酸菌は死んでからも仕事をしてくれるので、必ずしも生きて腸まで届ける必要はありません。ただし、生きていたほうが整腸作用などの効果を十分に発揮できるとは言われています(諸説あります)。

では、発酵食品などから摂取する植物性乳酸菌の、胃での生存率を少しでもアップするにはどうしたら良いのでしょうか。

こんにゃくによって乳酸菌の胃での生存率が上昇する

米ぬかと味噌から分離した乳酸菌およびクリスパタス菌の3株を用いて、こんにゃくを添加した場合の乳酸菌の生存率をはかった実験があります[※]。実験はpH1.2の人口胃液に浸す形で行われました。ヒトの胃のpHは胃の状態によって変動しますが、pH1.2となるとすごくおなかが空いているときなどでしょうか。だいぶ強酸ですね。

こんにゃくを使わずに乳酸菌を人口胃液に浸した場合、乳酸菌の生菌数は30分後には0。しかし、乳酸菌をこんにゃく粒子と一緒に培養したあとこんにゃく粒子を人工胃液に浸した場合、30分後でも乳酸菌の生残率の減少は認められなかったそうです。

食事をすると胃内容物のpHは上昇します。食事後1時間程度のpHは3〜5程度まで上昇するという報告もあるので、実際にはもっと生きているかもしれません。

これはこんにゃく粒子の表面に乳酸菌が付着してバイオフィルム(菌膜)を作ったために、菌の生存率が上昇し、外部環境からも保護されたためと考えられています。こんにゃく粒子に付着した乳酸菌は、滅菌水ですすいでも完全には除去できないそう。そのため消化の際の蠕動運動にも耐えられたと考えられています。

このときのこんにゃくのpHは11~12のアルカリ性。外部環境がpH1.2の酸性という人口胃液中でも、なかまで平衡化する間は付着した乳酸菌を守ってくれます。また、こんにゃくの直径が大きいほど内部までpHが平衡化するのに時間がかかるため、生残性向上効果も期待できるようです。

また、乳酸菌をこんにゃく粒子と一緒に培養し、こんにゃく粒子を酸性の人工胃液に浸してから再びpH6.8の培地中で培養すると、乳酸菌が増殖することが認められました。このことから、胃内で生きた乳酸菌が減ってしまっても腸管に達することでこんにゃく内部で菌が増殖し、菌数が増加する可能性も示唆されています。

 

実験の結果からは、ある程度種類を問わずこんにゃくには乳酸菌の生存率を上昇させる作用が期待できることがわかっています。とはいえ、ヨーグルトやチーズとこんにゃくを一緒に食べるのは食べ合わせ的に微妙なので、味噌や麹などの発酵食品と一緒に食べる際にぜひ試してみてくださいね!

 

参考:※こんにゃくを用いた乳酸菌の胃での生残性の向上

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