実は理にかなっていた!?ワインを調理に使用するメリット〜下ごしらえ編〜

世界中の人たちから長年愛され続けられていてるお酒のひとつ、ワイン。500円から1本100万円を超えるようなものまで、多種多様な銘柄が存在しているワインですが、調理用としても広く活躍しています。

「ワイン煮」「ワインソース」「ワイン蒸し」など、ワインが使用されている料理はたくさんありますよね。しかし料理にワインを使用した場合、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

ワインを調理に使用するタイミングは幅広いですが、今回はワインを肉の下ごしらえに使用した場合について。ワインに漬けておくと肉が柔らかくなる原理に迫ってみたいと思います!

肉が硬くなる原理

肉に含まれるタンパク質は、大きくわけて「筋原繊維タンパク質」、「筋形質タンパク質」、「結合組成タンパク質」といった主に3つから構成されています。

仮に、ワインでマリネをせずにただ肉に熱を通していくと、筋原繊維タンパク質が熱変性して収縮を起こします。また筋形質タンパク質が疑集、さらに結合組成タンパク質も収縮して肉汁が徐々に出てきます。

これらの現象は60℃を超えた辺りで起こり、徐々に肉は硬くなっていき、肉汁も放出されてしまいます。

ワインによる効果

ここでワインの登場です。ワインは、乳酸や酒石酸、リンゴ酸、コハク酸などの有機酸が多く含まれています。これら酸がpHを下げることで肉の保水性がアップ。

また、酸性により活性を起こすカテプシンDというタンパク質分解酵素が活性化されるため、筋原繊維タンパク質の分解が促進されて熱によって固まりにくくなります。さらに、赤ワインでは多く含まれているポリフェノールの一種、タンニンやミオシンなどが肉の表面で複合体を形成します。

つまり、ワインの作用によって表面から肉汁が放出しにくい状態になるんです。肉にはコラーゲンが含まれていますが、ワインによって可溶化するため、熱によって硬化しにくくなるとも言われています。

肉を柔らかくするなら白ワイン

赤ワインはタンニンが豊富である一方、ポリフェノールが白ワインに比べて多くなっています。タンニンなどの影響によって肉表面で複合体形成が起こり肉汁の放出防止には役立ちますが、「肉表面が硬化してしまう」という懸念も。

その分、白ワインの場合はタンニンが少ないため、加熱処理をする場合に肉表面が固まり過ぎない傾向にあります。

さらに加熱によってワインに含まれている成分からアウトミオシンという複合物が生成され、タンニンと複合体が形成できなくなることで、軟化効果が促進されるんです。

肉を柔らかくするという1点に絞るなら、赤ワインよりも白ワインのほうが適していると言えるでしょう。以前に味博士の研究所で牛肉の下ごしらえに使用した際も、もっとも柔らかい食感となっていました。肉の柔らかさよりも旨味を求めるのならば赤ワインのほうが良いかもしれません。

次回はワインを調理中に使用するメリットをご紹介します!お楽しみに♪

参考:
「ワインの秘密」清水健一
「料理の科学」斎藤勝裕

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