世の中には、「なんとなく味が違って、自分がどっちが好きかはわかっているけど明確に違いがわからない」という食べ物がありますよね。その際たる例が、豆腐ではないでしょうか。
豆腐といえば、大きく分けて木綿豆腐と絹豆腐があります。調理のしやすさや舌触りなどから、「この料理にはだいたいこの豆腐」というセオリーはありますが、木綿派・絹派という確固たるアイデンティティを持ち「何に入れるにも絶対木綿or絹だ!!!」と譲らない人々も少数ですがいます。
派閥ができてしまうこの2つの豆腐、いったい味はどう違うのでしょうか。
木綿豆腐と絹豆腐、味の違いは旨味と苦味
木綿豆腐と絹豆腐の味の違いを比較するにあたり、味覚センサーのレオくんにご登場いただきました。
味覚センサーレオはヒトが感じる味覚を数値で表してくれる味覚センサーです。
その比較結果がこちら。
違いは旨味と苦味に現れています。旨味は絹豆腐のほうが木綿豆腐よりも強く、苦味は木綿豆腐のほうが絹豆腐よりも強くなっています。
これは製法の違いによるものだと考えられます。豆腐は大豆をすりつぶしたものをこして豆乳にし、にがりで固めて作ります。
そのとき、木綿豆腐はある程度固まったものを木綿の布を敷いた箱に入れて重石をし、水分を切って作られます。いっぽう、絹豆腐は豆乳を流し込み、そこににがりを入れて重石などはせず、そのまま固めて作ります。
絹豆腐の旨味が強いのは、水分が切られず多く含んでいるために、大豆のたんぱく質由来の旨味が相対的に強く感じられるから。木綿豆腐の苦味が強いのは、カルシウムといったミネラルが圧縮され、それらの比率が高くなっているためではないでしょうか。
以上のことから、純粋に味覚としては木綿派は苦味好き、絹派は旨味好きに分類されそうです。苦味が味わいたいときは木綿豆腐、旨味が味わいたいときは絹豆腐など、自分が欲している味覚によって食べ分けるのも面白そうですね!
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