美味しいだけじゃない「焼き色」の効果
食べ物のおいしさにとって、見た目は重要です。茶色い焼き色がこんがりとついたお肉やお菓子は、とても美味しそうに見えますよね。ところで、この焼き色、実は只者ではありません。ただ美味しく見せるだけではなく、一石X鳥の健康機能を兼ね備えているようなのです!
今日は食べ物の焼き色のヘルシーな側面を覗いてみましょう!
焼き色に含まれる「メラノイジン」
食べ物に火を通しこんがりと焼きあげる途中では、さまざまな化学反応が起こっています。その中でも有名なのは「メイラード反応」。簡単に言うと、タンパク質などに含まれる「アミノ酸」と、砂糖などの「糖」という成分が結びついて起こる反応で、かなり多くの物質ができあがります。このときに食べ物に焼き色がつくのです。
できあがる物質の一つに「メラノイジン」というものがあります。このメラノイジンが非常に優秀なのでした!!
1)食物繊維の代わりになる
お腹の調子を整えることでは食物繊維の右に出る者はいません。しかし、メラノイジンには、肥満の原因になるコレステロールを低下させたり、お腹の中の善玉菌である乳酸菌を増やす働きがあることがマウスの実験でわかっています。焼き色のついた食べ物は、腸内環境を整えるのに役立つ可能性があるのですね。
2)血糖値の上昇を抑えらえる
さらに、メラノイジンには、糖の吸収を抑える働きがあるようです。小麦粉やお米に含まれるでんぷんは、糖の分子が複数つながってできています。体の中に吸収されるときには分子のつながりが切られるのですが、メラノイジンはつながりを切るのを抑える働きがあるようです。血糖値の上昇が緩やかになれば、食後に襲ってくる眠気も抑えられるかもしれませんよ!
3)脂肪の吸収を抑える
嬉しいことに、メラノイジンは脂肪の吸収まで抑えてくれるようです!万能すぎてぐうの音も出ませんね。食べ物の脂肪はリパーゼという酵素によって分解されて体内に吸収されますが、メラノイジンはリパーゼの働きを働きを抑える可能性があるという報告もあるのですよ。
これ以外にも、ガンの予防につながる抗酸化作用や高血圧を予防するといった様々な働きがあるようです。こうした実験は高濃度のメラノイジンを摂取したときの効果を見ているため、実際の食べ物に含まれる量でどれだけの効果があるかはなんとも保証しがたいところですが、これを読んだあなたは、焼き色のついた食べ物がもっとおいしく感じられるようになるかもしれません!
参考文献
メラノイジンの生理機能