食べ物を茶色くする二つの反応
お肉の焼き色、プリンのソース、ご飯のおこげ、炒めたタマネギ……多くの料理の過程で”食材が茶色くなる”のは、あなたもよくご存知のことでしょう。
この茶色くなる現象は、食べ物の美味しさにも関係しており、いくつか種類があります。
代表的なのは、「メイラード反応」と「カラメル化」と呼ばれる二つの現象。
この二つは、食べ物を茶色く、美味しくするという点では似ているのですが、実は似て非なるものなのです。今日は「メイラード反応」と「カラメル化」の違いを、どこよりも分かりやすく解説します!
メイラード反応とカラメル化の共通点
最初に、メイラード反応とカラメル化の共通点を簡単にみておきましょう。
1.食材が茶色(褐色)になる
2.香りが強くなる
3.食べ物が美味しくなる
4.「糖」がある時に起こる
5.温度が高い時に起こる
6.未解明な部分が多い
似ているところだらけですね。では、一体、どこが違うのでしょうか。
その答えは、4番に関係があります。
メイラード反応は「糖」+「アミノ酸」で起こる
メイラード反応は、「糖」と「アミノ酸」が一緒に存在する時に起こります。
糖とアミノ酸が結合することに始まり、その結合した物質が酸素や水と反応しながら、さらに変身していきます。
変身を繰り返した結果、「メラノイジン」と呼ばれる茶色の物質や、芳ばしい香りのする様々な物質が出来上がります。
この反応は常温時にも起こりうるのですが、加熱することで速くなり、155℃で最も活発に反応が起こると言われています。
具体例としては、ジュージューと焼かれたお肉の表面、ご飯のおこげ、パンの耳などがあります。
カラメル化は「糖」のみで起こる
カラメル化に必要な素材は、「糖」だけが存在する時に起こります。
糖が加熱によって水分を失っていく過程で、糖の構造が壊れたり、別の結合を始めたり、様々な反応が起こります。
その結果、茶色の物質や、カラメル独特の苦味を持つ物質が作られます。
この反応は加熱した時にのみ起こり、砂糖の場合は185℃以上でカラメル化が始まります。
具体例としては、プリンのカラメルソース、キャラメル、べっこう飴などがあります。
メイラード反応とカラメル化はダブルで起こりうる
ビールやコーヒーの色合いは、メイラード反応とカラメル化の両方が関係しています。
このように、この二つの反応は同時に起こることがあります。
一部の糖は糖同士で反応し、一部の糖はアミノ酸と反応するというように、複雑な反応が起きているのです。
食べ物の茶色化に関してはまだまだ未解明なことが多いようですが、美味しさに関わることは間違いなさそうです。
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