▪︎香港人の味覚を調査!
国の地理と食文化には密接な関係があります。
日本人が「旨味」という味覚を発見できたのは、海産物を食べる文化が発展していたことが大きな理由の一つですね。
ほかに海産物がよく食べられている地域としては、香港があります。
香港は日本と同様に海が近いため、味覚の形成も日本人と似ているのではないでしょうか。
そんな予想を立てていたのですが、現地に足を運んでみると、実は結構違うことが分かりました!
今日は、香港にお住まいのKaki Chengさん(以下、kaki)に、香港の食文化について気になることを聞いてみました♪
◎Kaki Chengさん
1991年生まれ。香港在住。アニメやマンガをきっかけに日本に興味を持つようになり、3年間の独学を経て日本語をマスター。現在は、株式会社iNTOにおけるディレクター業務や通訳、子供への語学教育など幅広い活動を行っている。
▪︎緑茶にも砂糖!とにかく甘いものがスキ
味博士:さっき何気なく買った緑茶が、めちゃくちゃ甘くてびっくりしたのですが・・・!
Kaki:香港人は甘いものが大好きなんです。とにかく何にでも砂糖を入れますよ。
味博士:そうなんですか!日本では、お茶は苦味や渋味がある方が好まれています。紅茶にお砂糖を入れることはありますが、緑茶はそのまま飲みますね。
Kaki:ウーロン茶は甘くないので甘いお茶が苦手な方にはオススメです。ただし苦くもないです。苦いお茶はこっちではほとんど飲まれません。
味博士:甘いお茶は何と相性が良いのでしょうか?
Kaki:そのまま飲むのも良いですし、飲茶にも合いますし、どんな料理でもOKです!
▪︎コーヒー文化はあまり浸透していない
味博士:もう一つびっくりしたのは、コーヒーを飲める場所が少ないことです!
Kaki:お茶に比べてコーヒーは飲む頻度が低いと思います。缶コーヒーも4〜5種類ほどしかありません。
味博士:コーヒーを飲んで目を覚ましたりはしないのですか?
Kaki:社会人の方はスタバに行く人が多いですが、コーヒーを飲みに行くというよりは、スタバだから行きたいという人が多いようです。
味博士:もしかして、コーヒーも甘いとか?
Kaki:市販のものは大体甘いです。苦いのが欲しい人は自分でいれるしかありません。笑
味博士:日本だと、カフェで苦いコーヒーを飲みながら仕事するのはよくあることですが、香港ではそういう文化はないのですね!
▪︎お茶とコーヒーのハイブリッド?
味博士:そういえば、紅茶とコーヒーを混ぜた飲み物があるとお聞きしたのですが!
Kaki:「鴛鴦茶(ユンヨンチャー)」のことですね。ミルクティとコーヒーを混ぜたものです。
味博士:それは斬新ですね!どこで飲めるのでしょうか?
Kaki:香港のレストランや、 茶餐庁(チャーチャンテーン)と呼ばれるカフェとレストランの中間のような食堂によくありますよ。元々はその茶餐庁で誕生した飲み物なんです。
味博士:それももちろん・・・
Kaki:甘いです!
▪︎なまこの使われ方
味博士:日本から香港に最も輸出されている食品は「乾燥なまこ」であると耳にしました。何に使われているかご存知ですか?
Kaki:「佛跳牆(ファッティウチョン)」と呼ばれるスープではないでしょうか。他の魚介類と混ぜて、1〜2日じっくり煮込んで作られます。
味博士:なるほど!それは魚介だしたっぷりで美味しそうですね。
Kaki:元々は中国の皇帝が食べていたものでもあり、お値段は高いですよ。数十万円するものもあったり。
味博士:Oh・・・一般市民には厳しいお値段ですね。。笑
Kaki:フカヒレはもっと高いですよ。
▪︎冷たいものは本当に苦手?
味博士:香港の方は冷たいものは好まれないと耳にしたのですが、ほんとうですか?
Kaki:冷たいものは胃に悪いですが、暑い時は普通に飲みますよ。コーラやサイダーは冷たくないと飲めません。
味博士:では冷たい料理である日本のお寿司も、香港では人気なのでしょうか?
Kaki:寿司は大人気ですね。ただ、僕個人は、温かい食べ物のほうがすきです。笑
味博士:日本の食べ物では何がすきですか?
Kaki:コンビニ弁当がすきです。特にカレー。香港にはお弁当がほとんどないので、コンビニはとてもワクワクします。
味博士:海外からはコンビニがそんなふうに見えるのですね!
Kakiさん、貴重なお話ありがとうございました!!
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