都会の街並みに颯爽と現れた袴姿の男性
はい。今日も良い天気です。こんな日にはスタバでコーヒーブレイクでも嗜みたくなるものですね。都内にある某書店と提携したスタバで、昼下がりの陽気にハッピーな気分を感じながら新発売のカフェを注文しようとすると…
え!?何!?おしゃれな店内に何やら…キッチリとした袴姿の男性が。にわかではない雰囲気を醸し出しています。にも関わらずパソコンをいじっているだと!?此奴…只者ではない…
なんと実はこの方、知る人ぞ知る管理栄養士の圓尾和紀さん。その浮世離れした姿が気になったので早速インタビューしてみました。
着物男子・圓尾和紀さんのプロフィール
ここで圓尾和紀さんの簡単なプロフィールを。3年前に独立した圓尾さんは、土鍋で分づき米を自分で炊いて、食事もほぼ和食中心自身のブログやSNSにて『それがしごはん』を紹介。ネーミングからジャパンへのラブを感じます。
ちなみにそれがし(某)とは昔、武士が自らのことをへりくだって呼んだ一人称ですが、圓尾さんの一人称は「僕」です。
圓尾さんの守備範囲は和食とファスティング。管理栄養士として、また分子整合医学美容食育協会 ファスティングマイスターエキスパート 麻布支部支部長としてそれらを推進しています。
今回は、圓尾さんの推進するファスティングから理想の食事や和食の良さについてインタビューを実施!前編(〜和食の魅力とファスティングとは?編〜)は圓尾さんの生活やファスティングについて聞きました。
圓尾和紀さんの生活の実態に迫る
──まずはじめに、圓尾さんが生まれた時代について聞かせてください。
え!?(なにこの人…)確かに袴姿ですが、武士とか江戸時代生まれとかではないです。こりん星みたいな設定とかはなにもないですよ(笑顔)。
──そうですか…。では本題で、圓尾さんはどんな生活をされてるんですか?
僕はめっちゃ朝型です。最近は本当に極端で、4時台に起きたりとか。その代わり寝るのが早くて、特に予定がなければ10時半とかに寝ちゃいます。10時半就寝の、朝4時とか5時起き。朝はごはん、というか固形物食べないです。
──固形物を食べない!?今日もですか?
今朝も甘酒と酵素ドリンクと水分だけです。午前中からすごく動く日はちょっと摂ったりしますけど、デスクワークとかであれば全然食べない。
仕事は午前中に集中して、執筆とか考えたりするのも午前中。お昼は普通に食べて、午後は割と読書の時間にしたり、人とお会いしたりとかの時間に当ててます。夜は頭が働かないんですよ…。
──現代人に多い夜型の生活と逆行してますね…。
こういう格好してると、「狙ってやってるの?」って聞かれますけど、違うんですよね。
──圓尾さんはいつから食の道へ入ったんですか?
学生のときは別に食に興味なくて。社会人になるまで、朝はパン食でした。実家だったんですが、うちは朝から菓子パンとかの家庭だったので、朝からごはんを食べる習慣もなかったんです。
──それなのに大学で栄養学を専攻しようと思った理由は?
学問的な興味ですね。昔から生き物や化学、人体の構造とかが好きだったんです。最初は薬学に行こうと思っていたんですけど、偶然栄養学を見つけて、こっちの方がより日常的で身近だなと。それまでは全然料理もしたことなかったし、食べるのが好きってわけでもなかったんですが。
──大学院のときも同じ専攻だったんですか?
院は臨床栄養でした。先生が腎臓専門の内科医だったので、糖尿病腎症の動物実験をして、卒業後は病院に就職。病院時代、栄養指導をやっていたので、その経験が今でも生かされています。
ファスティングで使われるという酵素ドリンクについて切り込んでみた
──圓尾さんは酵素についてどのようにお考えですか?
※味博士の研究所は『【マジで危険】「飲む酵素」に全力で警鐘を鳴らしまくってみた』という記事で端的にいうと飲む酵素の一説をディスってます。
酵素自体が新しいですよね。ハウエル博士が酵素栄養学っていうのを提唱したのが30年ぐらい前なので、種類も多いしまだわかっていないことが多いのかなって。
よく聞かれるのが”酵素に限りがあるっていうのは本当なのか?”。ひとつの説なんですが、僕の提唱するファスティングはそれを元にした考え方をしています。
──ファスティングは”一定の期間普段の食事を食べない”ということですけど、その期間中に酵素ドリンクを飲むんですか?
そうですね。ただその”酵素ドリンク”っていうのも名前が酵素って入っていることで逆にわかりにくくなっている。僕たちがやっているのは”ミネラルファスティング”と言って、実は断食中に酵素を摂るためにドリンクを飲んでるわけではないんです。
ファスティング中もビタミンとかミネラルがないと酵素は働かないので、食べずして栄養素を摂るためのドリンク。酵素ドリンクっていうと、「あ!酵素摂れるんだ」ってなっちゃうんですが、違います。
──なぜ「酵素ドリンク」というお名前なんでしょうか。
それはドリンクの製造過程によるものなんです。このドリンクは、作るまでに1年2ヶ月ぐらい時間をかけて発酵させ、消化酵素の力で栄養素を全部低分子化…細かくしているので、飲んでも消化しなくていいんです。
本当は、僕たちは食物酵素発酵液って呼んでいて。正確には酵素ドリンクではなくて酵素で発酵させたドリンクですね。
──消化をさせないために酵素を用いているんですね。
そうです。酵素には代謝をしてくれる”代謝酵素”と消化をしてくれる”消化酵素”がありますが、この量が限られているため、例えば消化に使いすぎると代謝の酵素が足りなくなってしまう。消化をしない期間があれば、消化をしないことによって浮いた分を代謝に回せるっていう考え方なんです。
──量は決まっていて、どちらに使うかっていうことなんですね。
そうですね。断食で消化酵素を一回休ませ、代謝経路を活性化する。そうすると思う存分代謝の方へ回せるので。それをデトックスや体の中の余分な脂肪を燃やしてくれる働きのほうに使うということですね。
あとはこの前ノーベル賞を取られた大隈教授のオートファジー、あれも断食中の活性化。細胞の中の傷ついたミトコンドリアやタンパク質を処理して新しいものを作るっていう…。なのでそれが全身で起きて、体全体を若返らせる機能がアップするということなんです。
ファスティングって本当に大丈夫?
──でもそれで、長期間のファスティングを経ても健康でいられるんでしょうか。栄養素的に不足したりはないですか?
ファスティング中に飲む酵素ドリンクは、ファスティング専門の山田豊文先生という、いろんなアスリートや有名人の方にもファスティングの指導をしている方の研究所で開発された、ファスティング中に必要な栄養素が全て入っているドリンクなんです。
通常の食事に置き換わるかと言われればおそらくそうではないですが、一定期間食事の代わりに摂ることによって、ちゃんと体が問題なく機能できるような量ではあります。個人差はありますが、長い方だと1ヶ月間とかそのドリンクだけで健康に生活する方もいらっしゃったり。
──1ヶ月ともなると、食べる楽しみが失われるのでは…?!
その方は実験としてやられたみたいなのですが、通常は1週間とか長くても2週間。僕自身も食べるのが好きなので、年4回ぐらいであんまり頻繁にはしません。それでも十分ですしね。
──ちなみに断食することによって味覚も正常化されるとのことですか、どのようなプロセスなのでしょうか?
ファスティングすると体内の脂質が使われるんです。例えばファスティングの後にオメガ3とか良質の脂質を摂ると脂質が置き換わる。質の良くない脂質がいい脂質に置き換わると神経の働きも良くなると言われていますので、味覚神経にも良い影響を与える可能性が高いです。
味を感じる味蕾細胞はターンオーバーが早いので、ファスティング中も代謝が上がっていつも以上に作り変えられるので、効果も実感しやすい。
また味覚ではありませんが、実際に野球選手で加齢によって動体視力が落ちた方でもファスティングすることでよくなった…なんて例もあるんですよ。
〜11/7(月)16:00公開の後編につづく〜