▪︎冷凍すると味覚まで変わるの?
最近は、そんなひんやりを求める人たちのために、「冷凍すると美味しい⚪︎⚪︎」といった具合に、さまざまな食品を冷凍して食べることがオススメされています。
冷凍すると、確かに食感がシャリシャリして、新しい美味しさを発見できることもあるでしょう。
しかし、味覚の面ではどうでしょうか。
冷凍すると甘さが増したり、減ったり、そういうことは起こるのでしょうか。
食感に惑わされてなかなか判別できないあなたの代わりに!味覚センサーを使って調べてみます!
▪︎冷凍トマトは美味しくなる?
普段トマトが苦手な人でも、冷凍トマトなら食べられるという人もいるようです。
トマトは冷凍によって、そんなにも美味しさが変わるものなのでしょうか。
冷凍トマトの美味しさの秘密を探るべく、ミニトマトを4個ずつ用意し、一方は一晩冷凍させ、もう一方は野菜室で一晩過ごさせ、味覚分析を行うことにしました。
一晩おいたもの並べたのがこちら。カチコチだと分析ができないので、少々解凍させました。冷凍したものの方がふにゃふにゃしています。
こちらを、同じ回数だけ箸ですりつぶし、内部に含まれる味覚成分を出します。
こうして抽出したミニトマトの味覚成分を、食べ物の味覚を数値化できる味覚センサー「レオ」くんで測定します。
果たして違いはあるのでしょうか…!?
▪︎冷凍トマトが夏に向いてる理由が明らかに!
味覚センサー「レオ」で分析した結果、冷凍トマトは冷蔵のものと比べて酸味がアップし、甘味・旨味・苦味が下がる傾向にありました。
この結果から、以下の2つのことが考えられます。
1.トマトが苦手な人でも食べられる
トマトらしさの一つは、甘味・旨味と苦味のコントラストにあると考えられます。
冷凍すると甘味と苦味が減り、このコントラストが抑えられるために、トマト独特の風味が弱まり、トマトが苦手な方でも食べやすくなるのかもしれません。
2.夏のおやつにぴったり
暑い夏は、ソーダや柑橘類など、冷たいと同時に酸味を持つものが欲しくなりがちです。
トマトは冷凍すると食感が「アイスの実」のようにシャリシャリするだけでなく、甘ったるさが減って酸味がアップするので、夏に食べると美味しいものの仲間入りができそうです。
また、巷では「トマトは冷凍させると旨味がアップする」ということも話もあるようですが、そんなことはないことも分かってしまいました。残念!
ひとまず、冷凍トマトが夏に美味しい理由の一つをご理解いただけたと思います。
トマトは健康や美容に良いので、アイスの代わりに冷凍トマトをおやつにしてみてはいかがでしょうか♪
他にも、冷凍すると美味しいと言われている食べ物はたくさんあります。
もし調べて欲しい「冷凍すると美味しいもの」がありましたら、ぜひTwitter(@ajihakase)で分析をリクエストしてくださいね!
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