前回の記事では、食材の切り方や包丁の種類についてお伝えしました。
今回はその続きで、包丁の種類やメンテナンス方法について訪ねて参りました!
4.包丁の材質もメンテナンスのしやすさに関係
●包丁の材質についての違いはありますか?
——「包丁には鋼とステンレスがあります。
鋼の良いところは、非常に鋭い刃付けができて、切れ味が良いところです。
刃を鋭角にすると食材への入りが良くなります。でも、鋭い刃を付けると、切れ味が悪くなるのも早く、刃カケもしやすくなるので家庭用の包丁は一般の方も使いやすいよう鋭角になりすぎないように刃付けを行います。
また鋼は錆びやすく、素材として柔らかいため切れ味が落ちやすく頻繁に研がなくてはいけないといった弱点もあります。」
●なるほど、ステンレスはどうですか?
——「反対に、ステンレスは錆びにくいので、メンテナンスしやすいのが特徴です。
昔はステンレス製の包丁は刃の鋭さがイマイチで、切れ味が悪いと言われていました。でも今では随分技術が向上していて、家庭で使う分には遜色ありません。和食の職人さんの中にも、ちょっとしたものを切る時にはステンレス製を使用される方も増えてきているようです。」
5.最低限持っておきたい4つの包丁
●食材に合った包丁選びは必要ですか?
——「可能であればもちろん使い分けをして頂きたいところですが、ご予算や日々お忙しい中で使い分けるのは実際には難しいのではないでしょうか。ご家庭では最低限の種類を使い分けていただくと良いと思います。」
●では家庭には最低限、どの包丁を用意しておけば良いのでしょうか?
——「そうですね、『三徳』と『ペティ」』と『パン切り包丁』かなと思います。
『三徳』の代わりに『牛刀』でもOKです。『三徳』と『牛刀』がどちらも万能包丁として使えるので。」
——「和包丁は『柳刃包丁』がいいかと思います。お魚をおろす機会は減ってきていますが、サクを買ってきて切るときに便利ですよ。」
●ところで、宣伝も兼ねて、、(笑)どの包丁がオススメですか?
——「ぜひお願いします(笑)私がオススメするのは『ダマスカス』というシリーズの包丁です。ダマスカス鋼というのは異なるステンレスを折り重ねて作られる特殊なステンレス刃物鋼で、切れ味も非常に良くて、ご家庭でも簡単にメンテナンスできるので、研ぎ直しをしながら長くご愛用いただけます。」
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——「包丁は、硬ければいいってわけではなく“粘りがある鋼材が包丁に良い”と言われています。粘りのある鋼材を使った包丁というのは、欠けにくい強さがあるということです。例えば、かぼちゃとか固いものを切っていて、途中で止まってしまうと横に捻るような動きをしたりしますよね。包丁は本来まっすぐ切る為に使うものなので、こうした動きはしてはいけないのですが、“粘りのある鋼材を使った包丁”だとこういう動きをした時に欠けにくいんです。ダマスカス鋼は粘りのある鋼材を使った包丁としてとても優秀なので、オススメです。」
●見た目もかっこいいですね!
——「ええ、なみなみの紋様がダマスカス鋼の特徴なんですが、日本刀のような見た目でかっこいいんです。やはり見た目がいいというのも大事かと思います。道具は愛着が湧くとそれを使うのも楽しくなって、大切にしたくなりますよね。長く使うには日頃のメンテナンスが重要ですので、愛着の持てるものを選ぶのは大切です。」
●それってぶっちゃけ、お高いですか?(笑)
——「そうですね、三徳で1万円ですので決して、安くはないかと思います。」
●包丁に1万…!うちには安く買った包丁しかありません…
——「包丁はきちっとメンテナンスして使って頂ければ、10年、20年…と長く使える一生ものって言われているんですよね。正しくメンテナンスすれば、手にもなじんでくるので最終的にはすごく使いやすくなってきます。ですので、高い買い物ではなかったと言って頂けるお客様が非常に多いんですよ。」
6.今日から実践、簡単メンテナンス!
●メンテナンスって面倒ですか?どうやれば良いのでしょう?
——「毎日とかのことであれば、使う頻度によるので一概には言えないのですが、週1回ぐらいは簡易研ぎ器で研いでもらうことをオススメします。」
——「本来は1ヶ月に1回ぐらいは砥石とかで研いで頂けると良いかと思うのですが、そうもいかない場合は、こういうものがあります。これだと、研ぐ段階が3つに分かれていて、本来研ぐ工程を簡易に再現できるので大変便利です。」
●ちゃんと研げたことを確認するにはどうしたらいいですか?
——「爪で引っかかりを確認する方法はあります。引っかかると研げているというものですね。
あとは、新聞紙や紙にすっと入ると研げている証拠ですね。
そういったことは、コチラ(http://www.kai-group.com/products/special/hocho/)で詳しく書いておりますので、是非見て頂ければと思います(笑)」
●なるほど、大変興味深い内容でした。
味覚を活かすには道具も重要なんですね!
本日は、ありがとうございました!
———-終わり———-
中編では、包丁の種類や切り方などをご紹介しております!合わせてお読みください♪
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