ウニ好きに幸せを運ぶ!クローバー餌でウニの養殖が高品質低コスト化

海鮮食材の女王、ウニ。好きな方は大好きですよね?ウニ!クリーミーな旨味が口いっぱいに広がり大人気の食材ですが、お寿司屋さんではおそるおそる注文するほど、値段も高いです。

先月、ウニ好きに九州大学より吉報が届きました。なんと、養殖ウニの餌にクローバーを使うことによって、生産物がより高品質に低コストになるんです。
もちろん、あの四つ葉で高名なクローバーです。クローバーをむしゃむしゃ食べるウニ、想像するとちょっとかわいいですね。(ちなみにウニの口は身体の下側にあり、肛門が上側にあります。人間と逆ですね)

実は、近年全国でウニが大量発生しています。それだけ聞くといいことのように思えますが、決して市場でウニが安く売られることにはなりません。ウニが海藻類を食べつくし、餌が不足してしまいます。結果、うまく太ることのできなかったウニは不味く、売り物になりません。海藻類がウニによって荒らされることを「磯焼け」といいます。

もちろんウニ以外の生態系にとっても悪影響ですし、漁業にも深刻な被害があります。こういった痩せこけたウニを養殖し、身入りを改善する試みがされています。しかし、磯焼けしてしまった沿岸部では、当然餌となる海藻が手に入りにくい状態です。海藻が手に入る時期も限られています。

そこで新しいウニの餌としてシロツメクサ(いわゆるクローバー)が候補に上がりました。実際、2ヶ月間給餌したところ、ウニの可食部である生殖巣が肥りました。クローバーで痩せウニが美味しくなったのです!

さらに、n-3系脂肪酸のα-リノレン酸も豊富に含まれることも判明。α-リノレン酸は血中の中性脂肪を下げる作用や皮膚の健康維持を助けるとされる栄養素です。

また、色も鮮やかになり、見た目も美味しそうになりました。クローバー餌で、ウニの養殖をより安価により高品質にすることが可能となったのです。

現在は特許出願をした上で、実用化を目指しているそう。いつかウニを気軽に食べれる世界が来ればいいなと幸運のクローバーに祈ってしまいますね。

幸せをよぶ?クローバーを餌にウニを養殖する技術を開発 
〜高栄養・低コストなマメ科植物飼料で高品質なウニを1年中生産可能に〜

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