「OK Google!楽しい気分になる食べ物を出力して!」が可能になる未来

「おふくろの味」という言葉を聞くと、胸の奥がツンとするような切ない気分になります。わたしたちは味覚と感情には強いつながりがあることを経験上、知っています。

ランカスター大学の研究者たちは、味覚と感情的な経験の関係性を調べました。
スポーツの試合結果、プロダクトに対する評価、旅行サイトのユーザビリティーについてなどなど、日常的に起こり得る状況について、それぞれどんな味覚と結びつくかを研究しました。どの味とどの感情が関連しているのかを状況ごとに解明したのです。

結果としては、甘い味覚が肯定的な評価、または好意的なスポーツチームの勝利結果に結びつき、苦い味覚が否定的な結果または評価に関連することがわかりました。

このことから研究者らは、人間のコミュニケーションや感情面のサポートに味覚が活用できるのではないかと予測しています。例えば、ビデオ通話時にコミュニケーションを補助するために、伝えたい感情に適した味覚を3Dフードプリンターでリアルタイムに出力することができます。何か問題が起きたときに解決や、スムーズな意思決定を手助けする味覚の飲食物を薦めることができますし、認知症の人に思い出を思い出させるような味覚を使い、治療に活用することもできるでしょう。また、製品評価のために意見を言いたいときに、正確に伝えられるようサポートすることもできるかもしれません。

「味覚が経験や感情を表現し、伝達するためのツールになる可能性がある。」と研究者のトム・ゲイラー氏はいいます。  

この研究の大きな助けとなったのが3Dフードプリンターです。

最新の3Dフードプリンターは匂い、色、質感などをコントロールしながら味を整えることができます。  
3Dプリンターでヴィーガン肉を生成したり、来年には3Dプリンターで握る寿司店が東京にオープン予定だったりと、3Dプリンター✕食の分野は明るいニュースをよく見かけます。(寿司を握るわけではないですね。出力…?生成…?どちらもまだまだ食べ物に使うにはなじまない単語ですが、新しい技術にはきっとふさわしい動詞が選ばれていくことでしょう)

スウェーデンでは、咀嚼や飲み込みに苦労する要介護者向けに、味気ない流動食ではなく、3Dプリンターで馴染みあるメニューに近い見た目の食事を用意し、利用者の食欲を刺激しようという計画も進んでいます。

3Dフードプリンターに関する研究は、単純に食品を出力するための技術を追求するだけではなく、すでに次の段階に行っています。3Dフードプリント技術がどう人間生活にとって新鮮な経験を提供したり、コミュニケーションの新しい方法、問題解決のための補助になるか、世界中で研究されているのです。

「OK Google!楽しい気分になる食べ物を出力して!」ができる未来が、すぐそこまで来ているのかもしれません。

[参考]
How 3D printed food could enable new taste experiences
スウェーデンの自治体が民間企業と協力し高齢者介護施設で3Dプリントフードを提供を計画

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