オリーブオイルが体にいい、という説は既に世間に浸透しています。
日本ではまだ価格が高く、思い切りよく使うには勇気が必要です。しかし、南欧ではオリーブオイルはそれこそ日本のしょうゆのごとく、あらゆるものにかける習慣があります。
味わいや香り、色はさまざま。あまり刺激の強くない繊細な味と香りを好む人、パンチの効いたオリーブの香りが好きな人、苦みのあるオイルを贔屓にする人、そしてピリッとした刺激を愛する人。
そして長い歴史を誇るオリーブオイルですが、奥が深く謎が多いのも事実。
最近、イタリアで話題になったのは「喉を指すようなピリッとした刺激のあるオリーブオイルは、高品質なのか。そして、抗酸化作用も強いのか」というテーマでした。
品質のレベルはともかく、抗酸化作用の程度を知る指標とはなる?
この質問を受けた新聞社は、大学教授や化学者からその答えを引き出したようです。テーラモ大学教授マウロ・セラフィーニは、わかりやすくこう答えています。
ピリッとした刺激は、ポリフェノールとトコフェノールという栄養素の存在によって与えられます。これらは、抗酸化作用や抗炎症作用があることで知られているのです。
2つの栄養素は、唾液内のたんぱく質とどのように相互作用するかによっても、ピリピリ感を感じる度合いが違うのだそうです。
セラフィーニ教授によれば、高齢者ほどよりピリピリ感を感じる傾向にあるのだとか。
教授によれば、「オリーブオイルのピリッとした刺激は、商品の品質までは計れなくても、オリーブオイル内にポリフェノールやトコフェノールが存在するかを知る指標とはなる」とのことです。
オリーブオイルの効能は研究によって次々に明らかになりつつある
もはや耳に胼胝ができるほど聞かされているオリーブオイルの効能ですが、最近ではスペインで3年という年月と3,000人を巻き込んだ研究が発表されています。
参加者に与えられた条件条件は、1週間に消費できるエキストラヴァージンオイルの量は最高で1リットル、ほかの油は一切使わないというものです。
その結果は、心臓病による死亡率が大きく低下したというものでした。
このほかにも、オリーブオイルのアンチエイジング効果から不眠症対策、腫瘍学、精神医学、性科学、心臓病学、セリアック病学、栄養学の分野からも、次々に研究が発表されているそう。
もはやジャーナリストも記事の執筆が追いつかないという範疇に入ってきた感じですね。
参考:
L’olio che “pizzica” è più antiossidante
Extravergine. L’olio? Più piccante è più fa bene