切っても切れないチーズとカビの関係。例えばゴルゴンゾーラチーズやロックフォールは、そのカビが美味の重要な要素となっています。この場合は、カビは放っておいて問題ないのは言うまでもありません。
問題は、保存法に問題があって発生するカビ。残念なことに、チーズの大半はその日のうちに消費しきらないと、かなりの確率でチーズにはカビが生えてしまうのです。
フレッシュチーズにカビが生えた場合→廃棄すべし
リコッタチーズやクリームチーズなど、熟成されていないチーズにカビが生えてしまった場合。
これらのチーズには、カビの温床となる水分がふんだんに含まれているのが特徴です。肉眼で確認できなくても、チーズの内部にまでカビの菌が浸透している可能性が高いため、カビの部分のみを除去したところで、完全にカビの菌を取り除くことは難しいでしょう。
これは、すでに削ってあるパルメザンチーズやスライスしてパックになって販売されているチーズも同様。心を鬼にして、これらのカビの生えたチーズは廃棄したほうが良さそうです。
熟成チーズはカビに強い!
一方、パルミジャーノ・レジャーノの塊やエメンタールなどの熟成を経たチーズは水分が少ないので、カビに対する耐性を有しています。
そのため、カビが生えてしまっても、その部分を切り取ってしまえば、残りの部分は食することが可能。
ただし、カビの菌が内部にまで侵入していることも考慮して、カビが生えていた部分の周囲2cmは切り落としてしまうのが無難でしょう。
ちなみに、あまり低温での保存は向いていません。10℃から12℃が適温です。
カビを避ける絶対的なメソッドは存在しない?
チーズの国のイタリアやフランス、スイスの人々も、実はチーズに生えてしまうカビには頭を悩ませることが多いのが実情。
ちなみに、チーズ専門業者に「カビが生えない正しいチーズ保存法」を訪ねても、その答えは千差万別で、定法は存在しないようです。ある人はキッチンペーパーにくるみ、別の人はオリーブオイルを一滴たらした綿の布の中に保存すると言ったり。
これらをいくら試しても、頻繁にチーズをチェックしない限りカビが生えてしまうのがチーズ。
また、サランラップやプラスチックの容器などに保管すると、チーズは呼吸ができなくなりカビが生えるだけではなく風味も落ちてしまいます。チーズの冷凍は避けたほうがよく、水分が多い野菜室の近くも厳禁ですね。
唯一、間違いのない方法は、小さめの大きさを頻繁に買って1週間以内に食べ終えてしまうことでしょう。
多少コスト面では問題があっても、お徳用サイズなどは購入しない方が、美味しく食べることができ、なおかつ無駄にしないベストな方法だと言えそうです。
最後に、「食べる前は常温で慣らすのがよい」というのが専門家の意見。冷えすぎたチーズよりも、16℃くらいで食べるのが美味しいそうですよ。
参考:
La muffa del formaggio
Come evitare che il formaggio faccia la muffa in frigo