2016年にスペインの20代の若者5人のグループが完成させた青のワイン「Gïk」。
白のブドウが主成分となっていて、赤のブドウを少々、そして企業秘密のナチュラルな着色料によって、非現実的な青を生み出しました。
今回はソーシャルで話題のカラフルなワインについて取り上げてみます。
青いワインを巡る騒動
青のワインを生み出したのは、20代の若者たち。彼らはその理由を、伝統の世界に革命を起こしたかったから、と明言しています。
また、2005年に刊行された経営戦略本『ブルー・オーシャン戦略』からインスピレーションを得たそうで、このワインを飲む人にイノベーションの意義を感じてほしいと語っています。
まさに、若者たちの「青さ」が凝縮したワインなのです。
このワイン、当初は当然のことながら非難ごうごうでした。ある人々は「ワインへの冒涜」と批判し、別の人々はグループに対して「ワインづくりなんかやめて、アプリの制作でもすればいい」などといったコメントを送るほどでした。
スペイン農業省からはラベルに「ワイン」と名乗ることはまかりならぬと通達され、罰金まで科される事態に。
しかし、スペインの商業界は話題性十分のこのワインを見捨てませんでした。現在では世界25ヶ国で販売され、特に日本、韓国、中国、マレーシアなどのアジア諸国では人気だそうです。
女心をくすぐるピンクのワインと可愛いラベル!
そしてこの野心的なグループは青のワインの販売開始から1年後に、今度はピンク色のワインを世に送り出しました。その名も「Lágrimas de Unicornio」で、「ユニコーンの涙」の意です。
その可愛い命名とラベルは、またたくまにソーシャルで話題になっています。製法については完全に秘密で、現在特許申請中。ただし、青のワインと同様に化学的な着色料は使用していないというのがウリです。
スペインはナバラ産のブドウを使用し、2人の醸造専門家が協力をして完成したピンクは、「およそ想像しうるピンクの中でも最も美しいピンク」なのだとか。
こちらも青のワインと同様に、現在は世界30ヶ国で販売される人気になっています。
もっとも、伝統的なワインが優勢を占めるヨーロッパでは、これらのワインが浸透するのはまだまだ時間がかかりそうですね。
参考:
«Invento il vino blu che rompe gli schemi»
Dopo il vino blu, ecco il vino rosa di Unicorno