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過熱したハチミツで免疫力アップ?細菌感染予防に期待

過熱したハチミツで免疫力アップ?細菌感染予防に期待

ハチミツ

甘くて美味しいハチミツは、ミネラルがバランスよく含まれ、抗菌効果や抗炎症効果が期待されている天然の甘味料です。

ハチミツ100gあたりには、炭水化物81.9g、カルシウム4mg、マグネシウム2mg、カリウム65mgほか、鉄や亜鉛、ビタミンA、葉酸などが含まれています[*1]。

炭水化物はブドウ糖や果糖などで構成された、私たちの体のエネルギー源となる重要な成分。それに加えハチミツには、ミネラルやビタミンがバランスよく含まれているんです。

そして最新の研究では、加熱加工によって免疫を活発にする作用が出現することもわかりました。

ハチミツの口内炎における有用性

日本の東洋医学の現場でハチミツは、「丸薬(医薬品を練り合わせて球状にしたもの)」を形づくる添加剤として活用されており[*2]、中国伝統医学では、加熱加工したハチミツを生薬に活かしています[*3]。

看護学雑誌 49巻2号 (1985年2月)によれば、放射線治療中にみられる副作用で口内炎が出現した患者さんに対し、ハチミツの使用を含めた援助を行った結果、苦痛が緩和されたそう。

ハチミツの主成分のひとつであるグルコース(ブドウ糖)は、ミツバチがハチミツをつくる際に注入するグルコースオキシターゼという酵素の反応で過酸化水素を生成し、グルコン酸にも変換されます。

これらには殺菌作用があり、細菌の増殖も防いでくれるので、口内炎にも有効に働くということです[*5,6]。

ハチミツを加熱加工すると免疫が活発に!

名古屋市立大学と富山大学による最新の共同研究では、ハチミツを加熱加工すると、カラダの免疫を活発にする作用が出現するとわかりました。

具体的には、ハチミツを加熱することによって、免疫力を高める「顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)」の産生を、誘導する物質が生じるとのこと。細菌に感染したマウスの実験では、加熱加工処理したハチミツを与えることにより、有意な延命が認められたそう。

ハチミツを180℃で1時間加熱した場合に、もっとも高い作用が見られたとのこと。それ以上になると、活性が低くなってしまうそうです。180℃は、熱したフライパンに水滴を落とした際に、小さな気泡ができるくらいの温度です。

家庭でハチミツを1時間過熱……というのはあまり現実的ではないので、調理前の下ごしらえでハチミツを加えたり、調理の際にちょっと加えてみたりして、多少の効果を積み重ねていくのがいいかもしれません。

もともとこの研究には、ハチミツに浸してから炒めるという加工を施して、生薬の機能を高めている中国式伝統医学に注目した背景がありました。その結果、加熱加工ハチミツの摂取で、細菌による感染を予防できる可能性が示唆されたというわけです[*3,4]。

ハチミツに関する注意点

昔からハチミツは、傷口の化膿を防ぎ、病気の感染を予防するために使用されていたといいます。デンゼル・ワシントン主演の映画『イコライザー(2014)』でも、ケガを負った主人公が、患部に熱したハチミツを塗るシーンがありました。

食べてよし、塗ってよしのハチミツですが、ブドウ糖や果糖が含まれているので、摂取すればやはり血糖値が上がります[*7]。過剰な摂取は、体重増加や糖尿病の発症につながる可能性もあるということです。

また、消費者庁のWEBサイトでは、腸内細菌の環境が整っていない生後1歳未満の乳児は、乳児ボツリヌス症を発症する可能性があるので、ハチミツを与えてはいけないと注意を呼びかけています[*8]。

摂取量や、お子さんへの配慮をしながら、おいしく楽しくハチミツをいただいて、その恩恵にあずかってくださいね!

参考:
*1砂糖及び甘味類/(その他)/はちみつ – 一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等
*2【お薬について】漢方鍼灸治療センター|北里大学東洋医学総合研究所
*3ハチミツを加熱加工すると、免疫賦活作用が出現する 〜加熱加工ハチミツの摂取で細菌感染が予防できる可能性〜(矢木助教ら) | 分子科学研究所
*4加熱したハチミツの免疫賦活作用を発見 名古屋市立大学など | 大学ジャーナルオンライン
*5放射線治療における口内炎患者の疼痛緩和にハチミツを使用して (看護学雑誌 49巻2号) | 医書.jp
*6はちみつの殺菌効果のすごさについて解説 – ログミー
*7『PHPくらしラク〜る♪』編集部編集(2018),『PHPくらしラクーる2018年4月増刊 本当はカラダに悪い101のこと【PHPからだスマイル】』, PHP研究所.
*8ハチミツによる乳児のボツリヌス症|消費者庁

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