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食品の凍結技術が医学・医療に応用されてるって知ってる?

食品の凍結技術が医学・医療に応用されてるって知ってる?

チャーハンや焼きおにぎり、パスタなど、現代の食生活には欠かせない冷凍食品。調理済みの食品だけでなく、生鮮食品や野菜などにも冷凍技術が用いられ、私たちの生活を便利にしてくれていますよね。

そんな冷凍技術ですが、実は食品分野のみならず、医学・医療分野で活躍している技術も存在することは、ご存知ですか?

美味しく食品を保つCAS機能付き急速凍結技術・保存技術

冷凍保存技術にはCAS機能付き急速凍結技術・保存技術というものがあります[※]。この技術は以下のような特徴を持っています。

1.細胞の組織の損傷がわずかである
2.ドリップ現象が抑えられ、旨味成分や有用成分が流れ出ずに美味しさが保たれる
3.食品の水分が保たれる
4.酸化反応が抑えられる
5.酸化物質が抑えられる
6.タンパク質が劣化しない
7.香り成分が均一に保たれる
8.生の鮮度と美味しさを長期間保つことができる

つまり、細胞の組織を冷凍前の状態のままで冷凍、保存する技術で、凍結した食品の鮮度と美味しさが、限りなく生に近いものを再現できるということです。例えば劣化の速いいわしなどは、血合いの色が鮮やかで刺身にしても美味しくいただけます。

魚以外にもトウモロコシやホウレンソウでは、甘味や香りが保持されるそうです。食肉でも従来の冷凍技術に比べて品質の良さや美味しさが高く、美味しくいただくことができます。

細胞の組織を保持するCAS機能付き急速凍結技術・保存技術は生の食品の凍結、保存が必要となる際に重要な技術といえるでしょう。

CAS機能付き急速凍結技術・保存技術の医学・医療への応用

食品の冷凍・保存において多大なる貢献をしているCAS機能付き急速凍結技術・保存技術ですが、実は医学・医療の分野、特に臓器や組織の移植や再生医療について技術が進出しています。

例えば歯の再生移植。抜歯後の歯を移植(自家移植)するためには歯根膜というものが生存していないといけないんですが、CAS機能付き急速凍結技術・保存技術で歯根膜を傷めずに保存ができ、移植を可能にしています。

また、様々や医学・医療分野で現在注目されているiPS細胞の利用においても、CAS機能付き急速凍結技術・保存技術が活躍しています。iPS細胞を利用した再生医療を確立するための保存技術として用いられているんです。

そのほか、動物実験の段階ですが卵巣の冷凍保存の実験がなされており、不妊になる可能性のあるがん治療などを行なう前に、卵巣を取り出して保存する治療法の開発が進んでいます。

美味しさだけでなく健康にも貢献しているこの技術はとても素晴らしいもの。今後の発展が楽しみですね。

参考:
大和田哲男「CAS機能技術の食品食材から医学医療への応用開発」Organ Biology 18(1), 71-78, 2011

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