シジミとキノコは冷凍しないと損!?

 

食材を冷凍すると、痛むのをあまり気にせずに済みますし、調理の際は時短にもなります。ただ、効率が良いとはいってもなんとなく「本当は新鮮食材を使いたい……」「仕方ないけど楽してるなあ……」といった忸怩とした気持ちを抱いてしまう人もいるかもしれません。

しかし、実は「冷凍した方が良い食材」が存在するんです。今回はシジミとキノコについて、冷凍した方が良い理由をご紹介します。

シジミを凍らせると「オルチニン」が8倍増加

青森県工業総合研究センター、内沢秀光らの研究により、シジミを冷凍すると、肝機能を高めるアミノ酸「オルニチン」の抽出量が数倍に増加することがわかりました。

-4℃で冷凍した時の増加量が最大で、オルチニンの量は8倍にもなったそうです。なお、同じようにホタテ、アサリ、ハマグリを冷凍しても、オルニチンの量は変わらなかったということです[*1]。

オルチニンをふんだんに含む食材はさほど多くないので、いざ摂取しようと思っても難しいことがあります。これだけの量が増加するなら、冷凍しない手はないですね。

砂抜きした後に冷凍しておけば、かなり扱いやすくなりますし。

キノコ類は栄養だけでなく旨味もアップ

女子栄養大学の甲山恵美らによる実験では、なめことえのきだけは冷凍させたあと加熱することで、旨味成分の一種である「グアニル酸」が大幅に増すことが分かりました[*2]。

グアニル酸は血小板の凝集を抑制する働きや血中のコレステロール値を下げる作用も持っています。

聖徳大学の石黒弥生らによるキノコご飯の比較実験でも、しいたけ、ブナシメジは冷凍を用いたほうが、生のものを使うよりもおいしく感じられたそうです[*3]。

過去に、味博士の研究所でも旨味がアップすることを確認していますよ!→【検証】冷凍すると一番おいしくなるキノコはどれだ!?

キノコは冷凍させたほうが旨味がアップするとはいえ、歯ごたえを楽しむ料理に関してはシャキシャキ感を残した方が美味しく感じられるでしょう。

好みやレシピに応じて冷凍することで、味も栄養もうまく高めて活用してみてください!

参考:
*1 内沢秀光、奈良岡哲志、小野伴忠「シジミの低温処理によるオルニチンの生成と新規トリペプチド」日本食品科学工学会大会講演集 2004年09月01日
*2 日本食生活学会誌, Vol.17, No.3(2006), 57-64
*3 日本食生活学会誌 Vol.26, No.1(2015), 11-19

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