「目玉焼きに何をかけるか問題」ほどではありませんが、たまに争いの火種となるのが「アジフライに何をかけるか」問題です。具体的には、醤油とソースで争うことが多いでしょう。
「どちらが好きか」となると育ってきた家庭の味付け、個人の好みに大きく左右されるもの。しかし両派閥とも「醤油orソースのほうが美味しいんだ!!!」と信じて譲らないのが、この争いの難しいところです。
平和主義の味博士の研究所では、論争に決着をつけるべく、味覚センサー「レオ」を使って味覚を可視化しました。その結果をご紹介します。
基本5味的に美味しいのはどっち?
「レオ」はヒトが味を感じる仕組みを模した味覚センサーです。味覚を分析するだけでなく、AIを搭載し「美味しいと感じる味」などを学習させることによって、その時代にみんなが感じる美味しさを算出することが可能。
この味覚センサーレオを用いて早速、アジフライの検証を行ってみましょう。まずは、基本5味(甘味・旨味・苦味・酸味・塩味)の定量的データです。
どちらも旨味と塩味が強く出ていますが、ソースの方が甘味が強く、醤油の方が酸味が強いという違いがありました。甘味は約9割の人がわかる程度、酸味は約半数の人がわかる程度の有意差となっています。
塩味、苦味、旨味に関しては有意差がありません。コクも測ってみましたが同程度だったので割愛します。
酸味の強い醤油が好きな方は「さっぱり」好き、ソースが好きな方は「こってり」好きなものと思われます。ただ、この結果からは「どちらが美味しい」という結論は出せませんね。旨味やコクに有意差さえあればどちらかを勝者とできたのですが、これは好みの問題でしょう。
相性が良いのはどっち?
気を取り直して次です。お次に測るのは相性度。
この「相性度」は「お互いの味の特性を引き立たせることができているか」という基準のもと、基本5味における一番強い味と全体のバランスという2つの因子から算出し、100点満点で数値化するもの。
アジフライとそれにかける調味料、両者の味をより引き立たせることができているほうが勝者となります。ではいってみましょう。結果はこちらです。
・アジフライ+醤油・・・95点
・アジフライ+ソース・・・95.9点
僅差ではあるものの、ソースのほうが相性が良いという結果になりました!
先ほどの基本5味の分析では、どちらも塩味と旨味が強い結果でした。キーとなったのは味のバランス。
ソースのほうが甘味が格段に強い分、醤油よりも「バランスが良い」ということ。「美味しい食べ合わせである」と言えるのは、アジフライ+ソースの方になります。
ただし、どちらも90点以上とかなり点数が高いため、決して醤油が美味しくないということではありませんし、醤油派の方が味オンチというわけでもありませんよ!
なお、筆者は圧倒的醤油派であり、味博士から検証結果を受け取った際、膝から崩れ落ちたことを最後に記しておきます。
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