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幻の調味料!?「煎り酒」を味覚センサーレオで調べてみた

幻の調味料!?「煎り酒」を味覚センサーレオで調べてみた

幻の調味料!?「煎り酒」を味覚センサーレオで調べてみた

今は基本5味(甘味・旨味・苦味・酸味・塩味)という味覚の定義があり、味覚センサーで味の可視化もできる時代。でも、私たちが普段「美味しい」と感じるものは昔の人が研究を重ねて編み出した調理法によって生み出されるものも多いです。

昔の日本人は一体どんなものを食べ、どんなものを美味しいと感じていたのか……気になりませんか?世界各国の料理が手軽に楽しめる現代日本ですが、昔日本人が食べていた味となると、なかなか体験できる場所はありません。

というわけで取り寄せたのが「煎り酒」!これは、室町時代に考案されたものの今は使われていない幻の調味料なんです。今回はこの「煎り酒」を実際に味わってみたり、味覚センサーレオで検証してみたいと思います!

冷ややっこ+煎り酒

煎り酒とは、日本酒に梅干しと鰹節を加え煮込んでつくる調味料。日本最古の料理書といわれている『料理物語』にも掲載されています。室町時代に考案され、江戸時代までは使用されていましたが、醤油が一般に広まってから姿を消したそう。醤油の代わりに使われることが多かったようですね。

早速試食してみましょう。

幻の調味料!?「煎り酒」を味覚センサーレオで調べてみた

左が醤油、右の黄金色の液体が煎り酒です。

煎り酒単体での味や匂いは、酸味強めの白だしといった印象。実際舐めてみると梅の風味がきいており、しっかりコクのある味なのに梅のおかげでさっぱりしています。

幻の調味料!?「煎り酒」を味覚センサーレオで調べてみた

食材との相性を確かめるために、淡白な食材と合わせてみました。冷ややっこです。

醤油だと味が強いので、豆腐の繊細な味を消してしまいます。うっかりつけすぎると醤油味の物体になってしまうことも。しかし煎り酒の場合、豆腐の豆のまったりした味ややねぎの刺激もちゃんと感じられます。

これは素材を活かす名調味料の予感…!?

冷ややっこ+煎り酒を味覚センサーで分析

室町〜江戸時代の味覚に期待が高まったところで、AI搭載の味覚センサー「レオ」で味の分析をしてみましょう。醤油をかけた冷ややっこと、煎り酒の冷ややっこの基本5味(甘味・旨味・苦味・酸味・塩味)がこちら。

有意差があったのは甘味、塩味、酸味。甘味に関しては煎り酒のほうが強い傾向があり、約半数の人がわかる程度の差です。塩味は醤油のほうが圧倒的に強く、酸味は煎り酒のほうが強いお味で、こちらは約90%の人がわかる数値です。

つまり、冷ややっこと合わせた、醤油はしょっぱく、煎り酒は甘くて酸っぱいということ。甘味と酸味が強いので、煎り酒は女性が好む味かもしれません。

お刺身+煎り酒

「江戸期の料理本におけるうす色しょうゆの料理への使われ方」という論文によると、江戸時代、煎り酒はなますとお刺身に使われることが多かったそう。ということで、お次はお刺身に使ってみました。

幻の調味料!?「煎り酒」を味覚センサーレオで調べてみた

これは……!思わず無言になってしまうほど美味しいです。実験のことを忘れ、しばし夢中で食べてしまいました。白身魚の上品な甘味と油分は、醤油をつけるとかき消されてしまいます。それが、煎り酒では白身魚の味がはっきりわかるんです。

後から和食のプロにお聞きすると、割烹では白身魚のお刺身に添えるそうで、納得の美味しさ。

お刺身+煎り酒を味覚センサーで分析

赤身の魚でも味覚センサーレオで分析してみます。

幻の調味料!?「煎り酒」を味覚センサーレオで調べてみた

こちらは、塩味と酸味に有意差がありました。やはり醤油のほうが塩味が強く、煎り酒の方が酸味が強いという結果です。かなりさっぱりいただけますね。

醤油は味が濃いので、お刺身につけるとどんな魚でも「醤油味」になりがち。素材の味を味わいたいなら、やはり煎り酒……かも。

煎り酒は醤油の代わりになるのか?

醤油の代打バッターとして煎り酒の可能性を調べるために、大根おろしを添えた焼き魚でも検証してみました。

幻の調味料!?「煎り酒」を味覚センサーレオで調べてみた

こちらの基本5味(甘味・旨味・苦味・酸味・塩味)も冷ややっこと同じ、醤油は塩味、煎り酒は甘味・酸味が強いお味でした。酸味が高いことで味のバランスがよくなっているため、コクが強く味わい深くなっています。

実際食べてみると、サバの油分と煎り酒の酸味がハーモニーを奏でますよ!醤油だと油分の印象が残るので、脂と塩味だけの味になります。大根おろしとは言わずもがな相性がいいです。しかし現代人にとっては、煎り酒は醤油とはやっぱり違うかもしれません。どちらかというとポン酢の代用となりそうです。

現代の食卓にも煎り酒を

他にも色々と煎り酒を使った料理を作ってみました。

幻の調味料!?「煎り酒」を味覚センサーレオで調べてみた

先ほどの江戸時代の食べ方より、煎り酒を使った紅白なますです。一般的なレシピによると、塩と砂糖、お酢でつくるものですが、煎り酒の甘味と酸味を利用して、砂糖はいれずお酢もかなり控えめで味付け。

煎り酒で作ると酢のツンとくる刺激が弱まり、優しいお味に。酢が苦手な人は煎り酒をお酢の代用にしてもいいかもしれません。カルパッチョやマリネにも使えそうです。

幻の調味料!?「煎り酒」を味覚センサーレオで調べてみた

試しにお浸しもつくってみました。旨味はしっかりありますが、梅の酸味のおかげでさっぱりとして飽きにくい味に。餃子やコロッケなど油分の多い料理の付け合わせにもばっちりでしょう。

今回いろいろな食材と合わせてみましたが、煎り酒は現代の食卓でも使い勝手が良さそう。メニューによっては醤油やポン酢の代わりに使えますし、酢や醤油と組み合せても使えます。

また、簡単に酸味を足せるところも嬉しいポイント。酢は刺激が強すぎるし、ポン酢は大好きだけれど使いすぎると飽きる、レモンを常備しておくのはちょっとコストが合わない……なんて方はぴったりかも。旨味と酸味を一気に足せるのはかなり便利です。

こんな美味しいものが過去に消えてしまうのはもったいないですね。煎り酒はご家庭に常備していてもいいくらい万能な調味料ですよ!

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