忙しいとついつい、食事を買い弁や外食で済ませがちになってしまいますよね。その気持ちはよ〜く分かるのですが、一度自炊の習慣がついてしまえば、案外手間も時間もかからないと思うようになります。
たとえば、炒め物などの簡単な料理であれば、その動作は「食材を切る」「火を通す」「味をつける」の単純作業が3つ並んでるだけの簡単なお仕事と思えるようになります。
そして何より、自炊にはメリットがたくさん!今回は、自炊のメリットを改めて確認してみましょう。
(1)所要時間は外食と大差ないのでは?
自炊といえば何よりも時間がかかると思われがちです。しかし、それは本当でしょうか。仮に、1回の調理にかかる時間を30分〜1時間だとします。これで2〜3回分は作り置きができますので、1回の調理で昼夜がまかなえるとすると、1日に使う時間は30分〜1時間です。
一方で外食の場合、オフィスからコンビニやレストランに行くまでの往復の歩行時間や、メニューを選ぶ時間、料理が出てくるまでの待ち時間などがかかります。これが1日2回あるので、どんなに短くても1日に合計30分は所要していて、自炊する場合とあまり変わらなくなるような気がします。
(2)1日の食費を1000円以内に抑えられる
所要時間が同じであれば、よりコスパが良い方がいいと思いませんか?自炊は何よりも、食費が安く上がります。筆者は平日は昼(お弁当持参)と夜は自炊していますが、1日1000円に満たない計算になっています。
もちろん、食べる量によって個人差は出てくると思いますが、外食では場合によっては1食で1000円かかってしまうこともあります。作業をしながら食べるような、食事がルーチンワークになりがちな日は自炊食で済ますと、地味に節約できるかもしれませんよ!
(3)栄養価をコントロールできる
もちろん、買い弁やインスタント食で1日1000円以内に抑えることもできるかもしれません。しかし、その価格帯で食事を済まそうとする場合、「ご飯山盛り」でお腹をいっぱいにするなど、”炭水化物や油分が多くて、野菜が少ない”という内容になりがちではないでしょうか。
自炊であれば、野菜たっぷりでも1日1000円以内で収まります。もちろん、炭水化物は脳や体を動かすには必要ですが、炭水化物の摂りすぎや、野菜に含まれるビタミンや食物繊維の不足は、肥満や体の不調につながります。元気にバリバリ動ける毎日をずっと当たり前にするためにも、若いうちから栄養成分は気にした方が良いでしょう。
(4)脳を鍛えられる
さらに、調理を行うことは脳の健康にとっても良いようです。脳の活動状態がわかる「近赤外線計測装置」をつけながら調理を行った実験では、献立を考えているときや、食材を切ったり炒め物を行っている時には、背外側前前頭前野(DLPFC)という部位が活発になることが分かっています。この部位は、概念を扱う、計画を立てる、選択をするといった部位に関わる部位だと言われています。
同じ時間を使うなら、食事が出てくるのをボーっと待っているより、調理を行って日々DLPFCを活発にするほうが、いつまでも若々しい脳でいることに役立ちそうな気がしませんか?
自炊をするときの2つポイント
(1)メニューをパターン化することを恐れない
何を行うにしても、長く続けやすいことは重要です。そのために、メニューはパターン化しましょう。自炊歴が初期の段階で、なるべく切る→火を通す→味をつけるの3ステップで終わるような簡単なメニューを考えます。
たとえば、豚肉とピーマンとにんじんを炒めて焼肉のタレをかけたもの、といった類のメニューです。これを骨幹にして、「豚肉」を「エビ」に、「焼肉のタレ」を「ローズマリー」に変えるなどのマイナーチェンジをすれば、同じような作業で別のメニューを作ることができます。
パターン化して単純作業化するほど、所要時間の短縮にもつながります。いつも同じものしか作らない事は恥ずべきことではなく、合理的なことです。
(2)フォトジェニックさを目指さない
SNSを開けば「おいしそうな手料理」がわんさか溢れているので、見た目の美しくない料理には引け目を感じてしまうかもしれません。
しかし、先に述べた3つのメリットは、すべて自己完結する内容であることにお気づきでしょうか。自炊は「健康な体を維持できるものを、安く食べる」ために行う合理的な手段にすぎないのです。
料理することが特別好きでなければ、この目的だけを達成できれば合格です。自炊は自分のためだけに作りましょう!
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