意外と知らない「使いやすい菜箸」の選び方

菜箸は、炒め物をしたり卵をかき混ぜたりするときに重宝する調理のお供です。菜箸は何よりも、食用の箸よりも長いことがアイデンティティと言えますが、厳密に何センチであるとか、金属製か木製かといった「長い」以外の属性を気にしたことがある人は少ないのではないでしょうか。

しかし、菜箸はすべて同じではありません。人の性格が皆違うように、菜箸の性格も違います。せっかくならより使いやすい菜箸を選びたいですよね。今回は、使いやすい菜箸とはどんな菜箸なのかを見てみましょう!

菜箸の使い分け実験の結果・・・

甲南女子大学の研究者らは、86人の参加者を対象に菜箸の使い心地を評価してもらう実験を行いました。具体的には、「菜箸の長さ」「紐の有無」「滑り止めの有無」「材質」の4つの特徴が異なる菜箸で、「そうめんを盛る」「卵を茹でる」「卵焼きを作る」「玉ねぎを炒める」「ポテトを揚げる」という動作を行い、使い心地に関する11項目を5段階評価してもらいました。その結果、次のことがわかりました。

1)長い箸(33cm)vs短い箸(30cm)→短い箸がベター
菜箸の長さによる違いでは、そうめんを盛る、卵を茹でる、卵焼きを作るの3つの動作の場合、短い箸の方が使いやすいという結果になりました。また、玉ねぎを炒める、ポテトを揚げる動作では、炒めやすさや揚げやすさ、油の飛び具合、手の熱くなり具合などでは長い箸の方が優れていましたが、それ以外の点では短い箸の方が使いやすかったよう。いずれの調理においても、総じて短い箸の方が使いやすかったんです。

2)紐ありvsなし→紐なしがベター
菜箸の頭の部分には紐が付いている場合があると思いますが、紐の有無でそうめんを盛る時の操作性が変わるかについても調べられました。その結果、紐つきは使いにくいことがわかりました。紐があると、紐のひっかかりや圧迫感、手に無駄に力が入ってしまうなどが気になってしまうようです。地味なポイントではありますが、菜箸を吊り下げる必要がない人は、紐なしを選ぶのが良さそうですね。

3)滑り止めありvsなし→滑り止めあったほうがベター
菜箸の先端部分には、ささやかに溝が入っているなどの滑り止めがついているタイプあります。そうめんを盛る動作を行った際には、滑り止めがあるほうがそうめんが持ち上げやすく、手に力が入らず楽であるという評価になりました。うどんやそうめんのようなつるつるした食材を扱う時には、やはり滑り止めは有効であるようです。

4)金属製vs竹製か→竹製がベター
金属製の菜箸は揚げ物用として売られているものですが、実際はどうでしょうか。ポテトを揚げる動作では、油の手に飛びやすさ、手の熱くなり具合では金属製のほうが優れていましたが、その他の面では竹製のほうが使いやすいという評価になりました。金属製は箸先が細くて挟みにくい、重い、安定性に欠けるといった評価が見受けられたようです。

これらをまとめると、「揚げる・炒める」といった動作を行う時には長い箸(33cm)を使うのがよく、そうでない動作を行う時には短い箸(30cm)のほうが使いやすいと言えそうです。特に短い箸の中でも、紐がなく、滑り止めがあるタイプがオールマイティといえるでしょう。あなたの家庭で普段何気なく使っている菜箸はどんな菜箸でしょうか。たまには菜箸を見直してみると料理が捗るかもしれませんよ!

参考:「菜箸」の調理機能性と使いわけ 

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