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ズボラさんに朗報!手抜きOKな下処理とNGな下処理

ズボラさんに朗報!手抜きOKな下処理とNGな下処理

家で美味しいものを作りたいとは思いつつも、一つの料理を作るにはそれなりの時間と手間がかかりますね。特に焼いたり煮たりする前に下処理が必要な食材を扱うのは、少々面倒な気持ちになるものです。特にズボラな人の中には、「下処理なんてしなくても、きっと大して味は変わらない!」と強引に調理を続行する人もいるかもしれません。

しかし調理の工程は、その時代の食材や器具によって常に変化しています。今と昔では、メジャーな食材も、調理器具も、味の好みの傾向も違うので、もしかしたら本当に従来の伝統的な下処理はいらないかもしれません。下処理は実際必要なのかどうなのか、その実態を見てみましょう。

下処理で味が変わるか?5つの料理で検証

下処理の必要性について、女子栄養大学で行われた調査結果があります。こちらの調査では、11種類の料理について下処理の有無を変えて調理され、20人の参加者によってその出来が評価されています。今回はその中から、5つの料理についてピックアップしてご紹介致します!

1)かぼちゃの煮物:下茹で→しなくてもOK

まずは、今が旬のかぼちゃの煮物です。かぼちゃを煮る前に、沸騰したお湯で5分下茹でしてから本番の茹でを開始する場合と、下茹でせずに最初からかぼちゃ茹でる場合の違いが調べられました。

その結果、下茹でをしないほうが高い評価を得る結果となりました。下茹でをすると、柔らかくなりすぎる点や角が崩れて外観が悪くなる点がマイナスポイントだったようです。従来は煮崩れの少ない日本かぼちゃが主流でしたが、現在はほくほくして煮崩れのしやすい西洋かぼちゃが普及していることため、茹ですぎは食感や外観の悪化につながるのだと考えられます。西洋かぼちゃで煮物を作るときは、下茹でをしなくてもよさそうです。

2)さといもの煮物:ぬめりとり→とらなくてもOK

次はさといもの煮物です。さといもを煮る前に、沸騰したお湯で8分茹でてからぬめりをとった場合、塩でもんで水洗いしてぬめりをとった場合と、ぬめりをとらずに茹でた場合の違いが調べられました。

その結果、総合的な評価に差はなく、ぬめり感の良し悪しにも大きな差はありませんでした。むしろ、見た目のつやの強弱については、下茹でをしないほうが高い評価となっていました。最近のさといもはぬめりが少ないものが増えているため、必ずしもぬめりを取り除かなくても大きな影響はなさそうです。時間がないときは、皮を抜いてそのまま煮ても問題がないでしょう。

3)じゃがいもの炒め煮:水晒し→しなくてもOK

じゃがいもといえば、水晒しがマストなイメージがありますが、こちらはどうでしょうか。じゃがいもを炒める前に、10分間水にひたす場合と、軽く水洗いですます場合の違いが調べられました。

その結果、水晒しの有無で評価は見事に変わりませんでした。味の染み込みの強弱や食感や硬さ、芋のねっとり感など、すべての項目に違いがありませんでした。少なくともじゃがいもの炒め煮においては、水晒しに特に効果はないと言っても良いでしょう。

4)麻婆豆腐:豆腐の水切り→茹でずに水切りしたほうが良い

次は麻婆豆腐の豆腐です。豆腐の下処理として、沸騰したお湯で2分間茹でて水切りした場合と、まな板を上にのせて60分間水切りした場合、水切りせずにそのまま調理に向かう場合の違いが調べられました。

その結果、湯通しして水切りしたものは、まな板を上にのせて水切りした場合よりも顕著に低い評価になりました。その理由としては、湯通しすることで豆腐がしまって硬くなることが挙げられていました。これは、現在は昔と比べて、柔らかい食品が好まれる傾向にあることが背景にあると考えられます。ただし、全く水切りしない場合よりは、まな板を上にのせて水切りした場合の方が良い評価を得ていたため、少し面倒でも茹でずに水切りをするのが良いでしょう。

5)いなり寿司の油揚げ:油揚げの茹で時間→30分以上茹でたほうが良い

最後はいなり寿司の油揚げの処理です。油揚げは油の抜き具合で味の印象が大幅に変わりますが、いかがでしょうか。酢飯と合わせる前に油揚げを茹でる時間を、5分、15分、30分と変化させた場合の違いが調べられました。

その結果、さすがに5分は手抜きすぎるようで、しっとりさがなく、油揚げが硬く、酢飯との馴染みが悪いという評価になりました。15分と30分では大きな差はありませんでしたが、味と食感や30分のほうが評価が高い傾向にあったことから、いなり寿司の油揚げは、できれば30分しっかりと茹でたほうがよさそうです。

このように、下処理の有無を変えて実験を行ってみると、実は下処理をしなくても問題がない料理があることがわかります。ズボラな人には嬉しいニュースですね。今後これらの料理を作るときには、ぜひ参考にしてみてくださいね!

参考:調理の簡便化が食味に及ぼす影響

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