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火を止めてもパスタが茹で上がることについて理論的に解説する

火を止めてもパスタが茹で上がることについて理論的に解説する

パスタを茹でている間に火を止める調理法は、光熱費節約や茹ですぎ防止の目的でたまにメディアでも紹介されています。

しかし、火を止めると水温は徐々に下がっていくもの。「火を止めても本当にパスタが茹で上がるの?」と半信半疑な方もいるのではないでしょうか。

実は、パスタは沸騰した水でなくとも茹でることができるんです。

パスタを茹でるのに必ずしも沸騰した水は必要ない

1799年、アメリカ生まれの英国人で熱力学者であったベンジャミン・トンプソンは、当時すでに「食材を茹でるのに必ずしも沸騰した水が必要ではない」ことを発見していました。

彼はまた「いくら燃料を足して茹でる水の温度を上げようとしても食材の調理時間の短縮にはつながらない」とも書いています。

さらに、イタリアの化学者で調理についてのエッセイも多いインスブリア大学教授ダーリオ・ブレッサニーニは、パスタの茹で方について実験結果を発表しています。
ブレッサーニ教授が海抜2000メートルの高さにある街でパスタを調理したところ、93℃の水で茹で上がったそう。

彼の主張では、パスタに火が通るためのゆで時間は3つの条件に依ると言います。
①パスタの生地に水分が浸透する速度
②デンプンのゼラチン化の速度
③それに伴うグルテンが凝固するまでの速度

①についてですが、パスタの生地に浸透する水分は冷水でも可能です。ただし、温度が上がると浸透の速度が速くなるのは当然のこと。

②のデンプンのゼラチン化は60℃から70℃のお湯で可能となり、③のグルテンの凝固は70℃から80℃の温度が必要です。つまり、理論的には水の沸点の100℃よりかなり低温でパスタは調理可能と言うことになるんです。

実際に実験をしてみると

それでは、100℃以下でどのようにパスタがゆで上がるのでしょうか。100gのショートパスタを1ℓの水で茹でるとします。

最初の実験では、水を沸騰させ塩を入れてからパスタを投入しました。パスタがくっついてしまわないよう、20秒ほどよく混ぜます。そこで、火を消します。

ショートパスタの袋に書かれていたゆで時間は12分。火を消した鍋にふたをして、12分待機しました。12分後、火を消した鍋の中のショートパスタにはしっかり火が通っていました。沸騰から12分後の鍋の水温は86℃ですから、理論的にも立派に火は通ります。

次は、沸騰前の水にパスタを入れた実験。80℃に達した水にパスタを投入します。その後、沸騰を待って火を消します。7分後、パスタには火が通っていました。

このとおり、調理中火を入れたままにしておかなくてもパスタの調理は可能。しかし半分生のパスタを口に入れるのは不快なもの。この実験結果を信じられない人は、とりあえずパスタの調理時間の数分前に火を切ってみるという身近なことから始めてみてはいかがでしょうか。

参考:
La cottura della pasta – Scienza in cucina – Blog – Le Scienze
Cottura passiva: la rivoluzione della pasta | Dissapore
Le Scienze n.577

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