焼き魚や煮魚など、お魚を使ったお料理は美味しいものの、魚の調理に少々手間がかかるものが多いですよね。一人暮らしで自炊をしている人や、普段料理をしない人が料理をするときには、下処理などが不要な、調理が簡単なメニューをついつい選んでしまいがちではないでしょうか。
しかし、魚には私たちの健康に欠かせない成分が含まれています。そこで、魚の代わりに、調理の簡単な「魚の卵」から、魚と同じぐらいの栄養を得る方法を考えてみたいと思います。
EPAやDHAは魚からしか取れない
魚の価値はおいしさだけではありません。魚には、なんといっても他の食べ物からは得られない成分が含まれています。「EPA」と「DHA」です。あなたも、サプリメントのコーナーなどでこれらの名前を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
EPAは、正式には「エイコサペンタエン酸」と呼び、血液に血栓ができるのを予防したり、血中コレステロールを下げたり、動脈硬化を予防する効果があると言われています。一方、DHAは、正式には「ドコサヘキサエン酸」と呼び、神経細胞同士のつながりを良くするなどの、脳機能を向上させるはたらきがある可能性がささやかれています。
日本人の食事摂取基準（2010）では、成人は1日に1gのEPAとDHAを摂取することが推奨されています。しかし、魚を食べる機会が少なくなっている私たちが、EPAはDHAをとるのは容易ではありません。
そこで注目すべきは「魚卵」です。つまり、いくらとか、たらことか、ししゃものお腹に入ってるヤツとか、あのあたりの魚卵です。魚と同様に、魚卵にもEPAとDHAは含まれています。魚卵は魚より比較的簡単に食べることができるので、インスタント食品に頼りがちな生活を送っている人でも取り入れやすい食材といえるでしょう。
７種の魚卵で1番EPAとDHAの量が多いのは？
魚の代わりとして食べるのであれば、EPAやDHAの量が多い魚卵を食べたほうが効率が良いですよね。7種類の魚卵100g相当について、EPA+DHAの含有量をランキング形式で見てみましょう！
１位：すじこ（4.71g）
２位：ししゃもの卵（2.29g）
３位：いくら（2.20g）
４位：たらこ（0.60g）
５位：カレイの卵（0.57g）
６位：かずのこ（0.47g）
７位：とびこ（0.31g）
１位はすじこで、ダントツで高いEPA+DHA量をたたき出してきました。1日のEPA+DHA量を達成するためには、すじこが10g入っているおにぎり3個分で事足ります。この時の塩分量は1.4gであり、塩分取りすぎの心配もなさそうです。
２位はししゃも、僅差で３位はいくらとなりました。調理の必要性がないことを考えるといくらが良いでしょう。1日分を食べるにはいくらの軍艦巻き4貫分程度で十分です。なお、ししゃもの卵で1日分を補うには、ししゃもを9匹食べる必要があるようです。
４位以下の魚卵では大幅にEPA+DHA量が下がっており、これらで1日に必要な量を満たすのは現実的ではなさそうです。たとえばかずのこの場合は、握り寿司11貫分を食べる必要があります。食べやすさや効率の良さを考えると、すじこかいくらが優秀だと言えるでしょう。
魚卵は好きキライが分かれやすい食べ物ではありますが、「最近魚食べてないけど、調理はちょっと面倒だな…」と思ったときには、ビールのおつまみに、ご飯のおともに、いくらやすじこを食べてみてはいかがでしょうか！
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