日本国内でも地域によって同じ料理でも味付けや食材が異なります。国が違えばもっと差異があるもの。今回は「鍋」の味に関する違いです。
日本と中国の鍋の素6種類、成分の比較。
使用されたのは市販されている6種の鍋の素。日本の鍋の素としては「MIZKAN 〆シメまで美味しい寄せ鍋つゆ」、「AJINOMOTO 鍋キューブ寄せ鍋しょうゆ」、「masuzen 寄せ鍋の素」の3種類、中国の鍋の素としては「海底捞麻辣香 锅调味料」、「小肥羊辣汤火 锅底料」、「小肥羊清汤火 锅底料」という3種類が使われています。中国の鍋の素は2種類がマーラー味、1種類が清湯味です。
調味は、市販の鍋つゆの素のパッケージに記載されている品質表示が調べられました。基本5味のうち甘地、酸味、塩味、苦味に該当する成分が「調味関係」、旨味に該当する成分を「旨味関係」、また中国料理の特徴的な要素である「香り」と「辛み」についても調査されました。これらに含まれないものは「その他」に分類されています。
中国の鍋の素は、日本のものに比べると、ニンニクニンニクやショウガ、山椒、香辛料をはじめとした「香り関係」が種類、数ともに多く含まれ、マーラー味の場合は唐辛子などの「辛み関係」の原材料が多く含まれていました。また、枸杞の実、大蒜のような漢方食材も使用されていました。ちょっと意外なのですが、動物性動物性の食材なども含まれたためか、中国の鍋の素にも「旨味関係」が多く含まれていたようです。
対して日本の寄せ鍋は「香り関係」は鰹節やホタテなど、旨味のもとになる食材の香りのみ。ニンニクや生姜といった、食材の臭みを消すような香りは入っていなかったようです。香辛料もほとんど使われておらず、「調味関係」と「旨味関係」がほとんど。デキストリンや脂質といったとろみづけなどに使われる「その他」がわずかに含まれる程度でした。
つまり、日本の寄せ鍋の素はほぼ「調味」と「旨味」の成分で構成されており、中国の鍋の素は「香り」と「辛み」が多く含まれているということ。日本の鍋は食材の味を引き立たせるように作られますが、中国の鍋はむしろ食材の味を消していくスタイルのようです。
ちょっと良い食材を手に入れたときは食材の味を際立たせるジャパニーズスタイル、お安い食材でたくさん食べたいときはチャイニーズスタイルと使い分けると、常に美味しくいろんな味を楽しめるかもしれませんね!
参考:中国と日本の調味の相違