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「土用の丑の日」の救世主?ナマズのポテンシャルを探る

「土用の丑の日」の救世主?ナマズのポテンシャルを探る

絶滅の危機!夏のスタミナ食を救うのは

今年は空梅雨で暑い日の続く地域も多く、早くも夏バテが心配されますね。日本の夏のスタミナ食といえば……そう、ウナギ! 特に「土用の丑の日」には、少々値が張ってもぜひとも口にしたい一品ではないでしょうか。

そんなウナギは悲しいかな、絶滅が危ぶまれる生きもののひとつ。日本国内でも国際的にも、ニホンウナギが絶滅危惧種としてリストアップされたというニュースは、日本の食卓を震撼させましたね。国際自然保護連合(IUCN)による最新版のレッドリストでは、現在赤ちゃんフィーバー中のジャイアントパンダよりも絶滅の危険性が高いランクに分類されている状況[※1][※2]。

そこで開発されたのが「ウナギ味のナマズ」。クロマグロの完全養殖でも有名な近畿大学が売り出して話題になり[※3]、「近大発のパチもんでんねん。」という広告も注目を集めました[※4]。

ウナギのパチもんとして改良されたということはつまり、元々のナマズの味がウナギに似ているということではないでしょうか?きっとそう。絶対そう。そうじゃないはずがない……ということで、自然の河川にいるナマズを獲って、そのお味を検証してみることにしました。

ヌメヌメの皮を脱ぐと美しい白身が

早速ナマズ獲りのベテランである(?)の知人に依頼して、ナマズを捕獲してもらうことにしました。

中国地方のとある郊外、コンビニのすぐ近くというロケーションのありふれた河川で、たも網を武器にガサガサ作戦開始。ほどなくして

「獲ったどー!」

と50 cm超えのナマズが!30分もしないうちの大捕物でした。さすが、慣れてる人は違いますね。

大きさはこのくらい

ナマズは全身ヌメヌメ。大量の塩を塗りたくってなんとかヌメリを抑えながらさばきます。阿鼻叫喚するナマズの姿は、スーパーに並んでいる切り身のお魚を口にするときには忘れがちな、命をいただきながら生きているという現実に向き合わせてくれました。

皮をはいでさばくと、きれいな白身が登場。見た目はタイの身に似ています。

ナマズの蒲焼き、なかなかいけるかも!?

まず作った料理はお約束の蒲焼き。はたしてナマズは「土用の丑の日」の救世主となれるのでしょうか? 自宅では炭焼きが叶わず、やむなくグリル調理しました。そのお味は。

……なかなかいけるぞ!!

ウナギに比べると脂が少なく、さっぱりしています。でも山椒をかけないとちょっと臭みが気になるかな…。ウナギの代わりになるほど似ているかどうかはさておき、これはまた別物としておいしい!と言えます。

筆者の食レポでは限界を感じるので、この方にご登場いただきましょう。味覚センサーのレオくん!!

レオくんは人が感じる食べ物の基本5味(甘味・旨味・塩味・酸味・苦味)を数値化し、味覚を視覚化してくれる味覚センサーです。

ウナギの方がナマズよりも甘味が強くコクがある

ナマズとウナギの味を比較した結果がこちら。

どちらも「旨味」に次いで「塩味」が強く、傾向はギリギリ似ていると言えなくもないでしょう。が、「旨味」では0.17ポイント、「塩味」では0.19ポイント、それぞれウナギのほうが高くなっていました。

0.1ポイント以上0.2ポイント未満の差は、60%の人がわかる程度。これでは食通はごまかせないでしょう。

「甘味」そして「コク」の差はどちらも0.3ポイント以上と、圧倒的な違いでウナギに軍配が上がる結果となりました。とくに「コク」は外せないポイント。

全体的にウナギのほうが各味覚が強くて味わい深く、ナマズのほうが淡白な味。

さすがウナギ、スタミナ食の王者としての貫禄を見せつけてくれます。とはいえ、特別な清流出身の貴族でもなく、ごく一般庶民のナマズにしては善戦でしょう。このあたりが「ウナギ味のナマズ」開発の余地だったのでしょうね。

ぶっちゃけ蒲焼きよりも唐揚げがおすすめ!

そんなナマズの健闘をたたえるため、別の料理アレンジでも食べようということになり、唐揚げにしてみました。早速、揚げたてを実食。

……お、おいひい!!!

料理の腕もあいまって、美食家もよろこぶであろう一品となりました。その身はやわらかいのに弾力があり、ちょうどフグとカジキを足して2で割ったようなお味。もはやウナギとの類似度はどうでもよくなり、無心で味わいました。

唐揚げにするとほとんど気にならない臭みですが、ポン酢をかけるとさらにさっぱり。小料理屋で出せば看板メニューになること請け合いです。これはおすすめ。「パチもんのウナギ」ではなく、「ホンマもんのナマズ」として売り出してもいいんじゃないかな。

蛇足ですが、ナマズもウナギも自身のもつ味覚は旨味成分「アミノ酸」に対して非常に敏感[※5][※6]。特にナマズは味を感じる器官「味蕾」が全身に分布することから「泳ぐ舌」の異名をもち、人間の100万倍もの感度でアミノ酸を感知する種もいます [※7]。

旨味に敏感な日本人も「舌を巻く」しかありませんね。ナマズ、ウナギのどちらを食べるにせよ、超高感度味覚センサーである彼らをリスペクトしつつ、スタミナをつけて夏を乗り切りましょう!

参考文献
※1 IUCN Red List (Anguilla japonica (Japanese Eel))
※2 IUCN Red List (Ailuropoda melanoleuca (Giant Panda))
※3 「日本なまず生産株式会社」設立
※4 近大発ナマズの広告が毎日広告デザイン賞準部門賞を受賞!
※5 High sensitivity of catfish taste receptors to amino acids
※6 Gustatory responses of eel palatine receptors to amino acids and carboxylic acids.
※7 魚類の味覚受容

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