ビールの「キレ」「コク」とは
「今日は暑いな〜。こんな日にはキレのあるビールが飲みたい!」
照りつける日差しのなか、そんなことを思ったあなたに質問です。ビールの味をあらわすときに使う、「キレ」「コク」が具体的に何のことかはご存知ですか?
同じビールの味を形容する言葉……ということで似たようなイメージを持つキレとコク。実はまったく別物なんです。今回はビールのキレとコクについて、これらが何者なのかを解説します!
ビールのキレは「後味」で判断する
味覚には先味と後味があります。口の中に食べ物を入れると味が変わることがありますよね。ビールで言えば、飲んだ瞬間は酸味が強いけれど、あとからじわじわ苦味が出てくるなど。
「キレ」というのはこの後味がどれだけ早く消えているかで表します。後味が早く消えれば「キレがある」、後味が残ると「キレがない」。キレのあるビールはつまり「後味スッキリ」というわけなんです。
ではここでクエスチョン。以下の図において、「キレがある」と言えるのはA、Bどちらのビールでしょうか?
答えは・・・・・・
Bです!
A(青)は先味として苦味が低い状態で始まりますが、後から苦味が出てきてゆるやかに残っています。B(緑)は苦味の立ち上がりが早く、その後下降。Aよりも後味が早く消えています。これは味覚センサーレオで計測した数値を元にした図ですが、実際味わうと「後味がすっきりしている=キレがある」になるんです。余韻が残らないため、鋭い飲み口でもあるんですよ。
ビールの「コク」は味の総和で決まる
「キレ」と並んで使われる「コク」。ビール以外にもあらゆる料理に対して「コクがある」などと言ったりしますよね。
コクは味の総和のこと。味覚には甘味・旨味・苦味・塩味・酸味という5つの味(基本5味)があり、これらの味がバランスよく含まれていると複雑な味わいになり、コクがあると言えるんです。
一例として麻婆豆腐にイチゴジャムを加えた味覚センサーレオでの実験結果をご紹介します。
イチゴジャムを加えると甘味・酸味が増加してコクも上昇。
このように複雑な味わいになるとコクの数値は上がります。逆に苦味や酸味などひとつの味に特化したビールは「コクがない」ということになるんですね。
まとめるとキレは後味、コクは味の総和。例えば「コクもキレもある」などと言われると一瞬不思議に感じますが、「深い味わいだけれども後味はスッキリ」と言い換えることができます。CMなどで「コク」や「キレ」を見かけた際はぜひ参考にしてみてくださいね!
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