基本5味のひとつ「旨味」は、うまく使うことで料理を味わい深いものにしてくれるほか、減塩にも繋がる味覚です。
そして、旨味のもとと言える料理のベースが、だし。だしを作るときにちょっと工夫するだけで、旨味は何倍にもなるんです。
今回はだしの旨味をアップさせるためのポイントについてお話します。
1. 違う種類のだしを組み合わせる
煮干し、鰹節、昆布、干しシイタケなど、だしの材料にはいろいろあります。一種類だけの材料でだしをとるよりも、複数の材料でだしをとり「合わせだし」とすることで、だしの旨味は強くなります。
このとき、だしの合わせ方を意識することで、より効果的に美味しさ(旨味)を引き出すことができます。
2. 旨味成分を意識する
主要な旨味成分は3つ。グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸です。主要なだしの食材ごとにざっくり分類すると、こんな感じになります。
グルタミン酸をはじめとするアミノ酸系のだしを含む食品には、昆布、トマト、白菜、玉ねぎ、チーズ、しょうゆ、みそなどがあります。
イノシン酸など核酸系のだしは鰹節、にぼしといった魚に。同じく核酸系のグアニル酸は干しシイタケなどのキノコ類に多く含まれています。
エビや鶏は種類や部位によってグルタミン酸、イノシン酸どちらが多いかが異なります。
3. 旨味成分の合わせ方を意識する
合わせだしを作るときのポイントは、アミノ酸系のだしと、核酸系のだしをうまく組み合わせることです。相乗効果によって、旨味は7倍以上にもなると言われています[*]。
昆布と玉ねぎ、しょうゆと味噌というふうに、同じ種類のだしを使っても、あまり効果的ではありませんが、昆布と鰹節、玉ねぎと干しシイタケ、といったふうに、各グループの素材を利用することで、効果的な合わせだしを作れます。
だしに限らず、アミノ酸系、核酸系、どちらの旨味を持った食べものかというのを意識しておくのがおすすめ。うまく組み合わせれば、一般的にはだしとして使われるものでなくても、料理を一層おいしく味わえますよ。
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