■依存症は、とにかく苦しい!
気づいたら、○○無しでは耐えられなくなっていた。
○○は自分を苦しめると分かっているのに、手放せない。
タバコやギャンブル、薬物、物、ゲーム、恋愛…何かに重度に依存している状態というのは非常に苦しいものです。たいていの場合、依存対象は自分を幸せにしないので、依存を断ち切って「上手く付き合えるようになりたい」と願うようになります。しかし、依存症から回復するには、”依存対象と完全に離れる”という手段しかありません。何かに依存している人の多くは、依存対象と完全に離れる勇気は到底持てないことかと思います。それ無しでは生きられないと思っているからです。依存し続けることも離れることも苦しい選択となり、結局苦悩から逃れる術がなくなってしまいます。
しかし、依存も所詮は生理現象の一種。この生理現象を起こさせないように工夫すれば、ほんの少しは緩和されるのではないでしょうか。
味博士の研究所では、「食べ物」というアプローチで、依存を緩和できるのかを考えてみます。文章の最後で、もっとも依存緩和に良さそうな食べ物を提案します!
■「脱ドーパミン中毒」を目指そう
しかし、ドーパミンの放出をうながす行動は、そうした本能的な行動以外にも存在します。お酒やタバコ、薬物などの摂取は、それらに含まれる分子によってドーパミンの放出を増やします。一方、物やゲーム、恋愛などは、個人個人の心理的側面や人生経験によってつくられた価値観によって、ドーパミン放出をうながす原因となっていきます。
ドーパミンの放出が度重なると、「もっとしたい」気持ちが強くなっていきます。さらにドーパミンの放出によって、快楽を得たときの記憶が強まるため、病的に「もっとしたく」なっていきます。そして、「もっとできない」ことはストレスになっていき、気づいたら依存が形成されているのです。
依存を断ち切るには、快楽中毒、すなわちドーパミン中毒を脱する必要があります。
■依存を緩和するのは「ナッツ入りシリアル」?
ここで、食べ物を食べてセロトニンを増やすことを考えてみます。
セロトニンは、トリプトファンという材料から作られます。トリプトファンはお肉やお魚など、たんぱく質に含まれる成分(アミノ酸)の一つです。つまり、トリプトファンを含む物質を食べれば、セロトニンが増えることが期待できそうです。
トリプトファンは、カツオやマグロなどの赤身の魚、大豆製品や乳製品、ナッツ類などに多く含まれています。それでは、これらを食べれば、セロトニンが増えてくれるのでしょうか。
実はそう簡単ではありません。セロトニンの材料を体に取り入れても、脳内でセロトニンを作ることに使ってくれなければ意味がありません。口から食べたセロトニンの材料(トリプトファン)が、脳まで運ばれる必要があるのです。ここで問題なのが、魚類や乳製品など“たんぱく質にトリプトファンが含まれた状態”でトリプトファン食べた時には、トリプトファンが脳内に入りにくくなることです。たんぱく質にはトリプトファン以外のアミノ酸も含まれているため、脳に入る時に競争が生まれてしまうためです。
この競争を抑えるには、同時に炭水化物をとることが必要です。炭水化物をとることで、トリプトファン以外のアミノ酸が脳ではなく筋肉で使われる割合が増えて、脳に入る時の競争相手が減ると言われているからです。
これらを含めて、筆者がもっとも良さそうだと思う、依存緩和の食べものは…
「シリアルにピーナッツやアーモンドの断片を追加して牛乳をかけたもの」です!
これであれば、トリプトファンと炭水化物を一緒に摂取できますし、トリプトファンが脳に入る時の競争相手を減らすことができます。一時期グラノーラブームが起きましたが、セロトニンを増やすという観点からも、良い朝食と言えるのではないでしょうか。
長くなりましたが、食べ物以外でもセロトニンを増やす方法はいくつか分かっているので、ぜひ調べてみてください。依存で苦しんでいる人が一人でも多く楽になることを願っています!
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