「糖分を取りすぎると太る」
ーこれは、誰しも逃れることの出来ない生理現象です。
「カロリーを気にせず甘いものを食べたい」
ー生理現象に反するこの欲求を叶える為に、人は人工甘味料を生み出しました。
人工甘味料は、低カロリーである代わりに、体の栄養にはなりません。
でも、もし、“甘いのに体の栄養となり、太る心配もない物質”があるとしたら。
今日は、そんなあま〜い妄想を現実にできそうな物質を紹介します!
例外に溢れるこの世界をくまなく探すと、この夢を叶えてくれそうな物質に出会うことが出来ます。
それは、甘いタンパク質という、色違いポ○モン並にレアなタンパク質。
「からだを作る栄養素」であるタンパク質が甘いということは、甘いものを好きなだけ食べても脂肪じゃなくて筋肉がつくという、まさに砂糖より甘い夢も実現できるかもしれないということ。
これは人類救済の予感…!さっそく詳しく見てみましょう!
たとえば、甘いタンパク質である『ソーマチン』を見てみましょう。
これは西アフリカの果物に含まれる物質です。
このタンパク質は、20種類あるアミノ酸のうち19種類を含むため、栄養素としても期待できそうです。
さて、気になるその甘さは・・・
砂糖の2000倍!
これでは甘すぎて、お肉を食べるようにソーマチンを食べるわけにはいきません…!
日本では天然甘味料として認可されている通り、ソーマチンは少しだけ添加する形で使われるものなのでした。
続いて、同じく西アフリカの果物に含まれる甘いタンパク質『モネリン』。
モネリンも、砂糖の800〜2000倍甘いと言われています。
こちらもソーマチンと同様に少量しか食べられなさそうです…。
さらに、この果物の栽培は難しいため、たくさん抽出するためにはハードルが多いようです。
諦め半分で、中部アフリカの果物に含まれる『ブライゼン』を見てみます。
ここまで読めば、次に私が述べることがお分かりでしょう。
そう、『ブライゼン』も強靭な甘さを兼ね備えているのです。
あまりに甘すぎて、地元では「母親の母乳の味を忘れてしまう味」と言われている程です。
このように甘いタンパク質は、残念ながら甘すぎて大量に食べるには向いていないようでした。
甘いものを食べながら筋肉をつけられるようになるには、もっと科学が進歩する必要がありそうですね。
甘い夢は儚く崩れ落ちてしまいましたが、これからも、めげずに健康に差し支えない範囲で甘いものを楽しんでいきましょう♪
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