■ガチで”甘さ控えめ”なカフェオーレが登場!
「甘さ控えめと書いてあっても、甘いねん…」
皆さんの中には、このようにカフェオレ欲の解消が上手く進んでいない方もいらっしゃることかと思います。
そんな方に朗報です。
先日11月3日にグリコ乳業より『甘さをおさえたカフェオーレ』が発売されました。
同社の『カフェオーレ』シリーズ史上、最も甘さを抑えたというこの商品。
ストレートなネーミングからも、なかなかの本気を感じさせます。
その本気の「甘さ控えめ」っぷりは、いかなるものでしょうか?
食べ物の基本5味、甘味・旨味・塩味・酸味・苦味を数値化できる味覚センサーを使って、調べてみましょう!
(味覚センサーとはじめましてな方はこちらをお読みください♪)
■味覚センサーによる測定結果
(1) 甘味は約40%も抑えられていた!
グリコ乳業のノーマルタイプの『カフェオーレ』と飲み比べてみると、確かに甘さ控えめなのは分かるのですが、その程度を数字で表すとなんと40%程度もの差があるようです!
これはだいぶ甘さが抑えられていると言えますね…!
甘さ控えめ党の皆さんは、いかがでしょう?
(2) 苦味は変化なし…だけど!?
苦味のレベルはノーマルカフェオーレとほとんど同じでした。
しかし、ノーマルカフェオーレは5味の中で甘味が最も強かった(○部分)のに対し、甘さをおさえたカフェオーレにおいては苦味が一番強くなっています(○部分)。
このため、甘さをおさえたカフェオーレは、「苦いな!」という印象を受ける事でしょう。
3)旨味もアップ!
旨味の方も、わずかながらにアップしています。
また、5味全体で見ると、甘さをおさえたカフェオーレにおいては、甘味よりも旨味の方が強くなっています。
この商品はミルクやキャラメルソースを駆使して甘さを控えめにしjながら旨味を引き出しているそうなので、甘味由来の通常のカフェオーレのおいしさとはまた違う、旨味由来のおいしさを感じられることでしょう!
4)まとめ
これらの結果を総じて見ますと、甘さを抑え、苦味を引き立たせながらも、旨味で甘味に負けない美味しさを作り出していると言えるでしょう。
甘さをおさえたカフェオーレには、「おいしい甘さ控えめ」への情熱を垣間見た気がします!
■流行の味の特徴が発覚?
『甘さをおさえたカフェオーレ』は、「甘味が弱く、苦味が強い」ということに加え、「旨味も強い」という特徴が見られる事が分かりました。
この特徴は、以前こちらの記事で紹介した、「オトナの味」は、甘さ控えめで、苦味と旨味が強いというのに似ています。
最近は「大人の」「プレミアム」「濃厚」といったキーワードを含む商品を多く目にしますが、そうしたネーミングの裏には、
“甘味が抑えられていると同時に、苦味と旨味が強調されている”
という共通点があるのかもしれません!
「甘味↓・苦味↑・旨味↑」は、現在の流行の味といえるでしょう!
■味覚の変化は”イメージの力”による?
こうした味の流行の背景には、様々な味覚の食が受け入れられるようになったことによる舌の変化に加え、健康意識の向上があるとも考えられます。
「甘くない方が太りにくい」
「素材そのものの苦味を感じられる方が体に良さそう」
人にとってイメージや暗示の力は強力であるため、そんな”良い味とされるイメージ”も味覚の変化に関係するものだと思われます。
流行の味を作っていくためには、人々の意識変化にも目を向けて行くべきですね!
*流行の味は、マイナーチェンジの積み重ね!
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