最近はスーパーやコンビニで、「大人の○○」といったチョコレート菓子を目にする事がありませんか?
そして、実際に食べたことがある方も多いと思います。
そうした「大人の」シリーズの特徴は、どこにあるのでしょうか。
多くの方が「甘さ控えめ」であったり「苦味の強さ」に”大人らしさ”を感じているのではないでしょうか。
でも、実はそれだけではないんです!
今回は、味覚センサーでオトナの味の実態に迫ってみましょう!
今回測定したのは、「大人のきのこの山」と「大人のたけのこの里」です。
この測定データをふつうシリーズの「きのこの山」「たけのこの里」と比べてみてみたところ、面白い事が分かりました!
1)甘味はどのくらい抑えられているのか?
「大人のきのこの山」「大人のたけのこの里」ともに、ふつうシリーズのものより甘味が減少していました。
これは皆さんも食べて分かる通りですね。
減少の具合を数値で見てみると、20%減少していることが分かります。
皆さんは、この“20%感”、分かりますか!?
2)苦味は2倍以上!
もう一つの特徴は苦味の強さです。
これはなんと、普通のものと比べて2倍以上も強いという結果が出ました!
「苦味が強いなー」という感覚を数字で見られるのは面白いと思いませんか?
また、ふつうシリーズでは差がなかった苦味が、大人シリーズではきのこの山の方が強いということが分かりました。
以前きのこvsたけのこの戦いの理由が、甘味と塩味の差があることを発見しましたが、この争いに、大人のシリーズが加わると、少し戦況が変わってくるかもしれません!?
3)裏方の正体は旨味だった!
最後に、大人のシリーズには、「甘味」「苦味」以外にも特徴がありました。
それは、ずばり「旨味」です!
ふつうシリーズ比べ、「大人のきのこの山」は約70%、「大人のたけのこの里」は約50%も旨味が強かったのです!
皆さんは、旨味を感じていましたか?
旨味は他の4味に比べて発見されるのが遅かったことからも分かる通り、なかなか「コレダ!」と掴みにくい味なのではないでしょうか。
しかし、こうした数値レベルや、旨味の存在を意識する事で、旨味に対する感度が上がっていき、味わう事が楽しくなっていくんですよ☆
このことは、他の味についても同じです。
実際に食べ比べた感覚と、数値データを参考にしながら味を意識することで、舌の感度があがっていきます!
今回、「大人の味」は、甘味や苦味に特徴があるだけでなく、旨味なども合わさってより複雑な味わいになっているということが分かりました。
皆さんも、記事を読みながら食べ比べてみて、味の細かな違いが分別できる舌を手に入れちゃいましょう!
*「旨味」と「おいしい」はちがうよ!
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