メロンパンの皮だけを商品にした、山崎製パンの「メロンパンの皮〜焼いちゃいました〜」がインターネット上で話題になっています。
発売当初は関西限定だったものが、28日には全国で販売されるようになったようですね。
皆さんはもう食べられましたか?
メロンパンは、味覚的にはパン部分も皮部分も甘味が強く、一緒に食べても分離して食べても美味しく感じられますね。
さらに皮部分は、他には無い独特の食感がポイントでしょう。
そこで私たちは考えました。
『他に、皮だけで美味しく食べられるものはないか…!?』
今日はその候補として、秋から冬にかけて大活躍する焼き芋について、検証してみたいと思います!
焼き芋の皮(紫部分)は中身(黄部分)と比べて薄く、パリッとした食感であり、食物繊維による適度な噛みごたえがあります。
また、皮には、目の機能を守る働きを持つアントシアニンや、抗酸化作用を発揮するクロロゲン酸が含まれているなど、栄養も豊富です。
独特の食感や栄養面でのメリットという面では、いい線いっているという事ですね。
残る問題は、味覚です。中身と一緒に食べると全体の美味しさが引き立つと感じる方も多い皮ですが、そのままではどうなんでしょう?
焼き芋において、中身に対して皮は表面積が少ないため、焼き芋を食べるときは皮だけで食べるという贅沢行為(?)は中々しないと思います。
そこで、皆さんが食べてみる代わりに、味覚センサーで皮だけの味を調べてみます!
実際に感じられる通り、苦味が一番強く出ています。
また、意外かもしれませんが、旨味もそれなりに強く感じられるようです。
メロンパンの皮のような甘味は、ほとんど含まれておりません。
ヒトは本能的に、甘味や旨味を好むように出来ています。
苦味は元々避けるべき味覚ではありますが、最近ではコーヒーや紅茶の普及によって適度な苦味もおいしく感じられるようになってきています。
このため、苦味と旨味を持つ「焼き芋の皮だけ」は、万人に受けるのは難しいかもしれませんが、苦いコーヒーを好むような方には、もしかしたら好かれるかもしれません!?
ついでに、焼き芋全体の美味しさについて考えてみましょう!
まずは中身を味覚センサーで調べると、このようになります。
圧倒的に甘味が強く、旨味も含まれていますね。
まさに、ヒトが美味しく感じる要素が詰まっているのです!
皮と中身の相性を考える上でのポイントは、皮の苦味と中身の甘味です。
焼き芋は、こちらの味覚診断でいう「抹茶型」、すなわち、甘味+苦味型の味なんですね!
このため、やはり焼き芋は、本体部分と合わさって真の美味しさを発揮すると言えるでしょう。
世の中にはたくさんの皮がありますが、やはり皮だけで食べられるものは多くありません。
そんな中、皮だけ人々を魅了しているメロンパンの皮は、革命的な存在だと言えますね!
*苦味推しが流行っている!?
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