寒くなってきましたね。煮物が美味しい季節です。十分に味をなじませるために、ことこと長時間煮込んだ煮物は、中まで味が染み込んでおいしいもの。
しかしジャガイモ、サツマイモ、サトイモなどの芋類、カボチャ、カブなどは、長く煮れば煮るほど煮崩れしがちで、見た目が悪くなりやすいんですよね。これ、困りませんか?
味と見た目を両立させる煮物のコツを知っておきましょう。
砂糖でなくみりん、みりんがなければ砂糖+酒で
野菜の細胞同士をくっつけているペクチンは、高温になると熱湯に溶け出してしまいます。これを防ぐのがアルコール。煮崩れしやすい野菜を煮るときには、砂糖の代わりに「みりん」を使いましょう。
みりんはアルコール濃度が14%前後あるうえ、仕上がりに照りやツヤを与えるオリゴ糖をはじめ、9種類以上の糖を含んでいます。
みりんを切らしているときは、ペクチンが溶け出すのを防ぐために、砂糖と酒を多めに加えるのがベターですよ!
ゆっくりコトコト、長い時間をかけて煮る
できるだけ時間をかけるのも、おいしく形よい煮物をつくるポイントです。
カボチャやイモ類に含まれているでんぷんは、じっくり、ゆっくりと加熱することで素材本来の甘さが引き出されます。
また、強火でぐつぐつと急激に煮立たせると、素材どうしがぶつかり合って荷崩れを起こしやすく、焦げ付きの原因にもなってしまいます。
弱火で気長に作るのもきれいな煮物を作るポイントです。
煮崩れなく甘みとてり、つやを加えるみりんは煮物の強い味方。砂糖とお酒を使う場合には、お酒がまんべんなくいきわたるようにしてくださいね。いつもより少し早めに取りかかって、見た目がよくおいしい煮物を作りましょう!
参考:
尾島好美『「食べられる」科学実験セレクション』(サイエンス・アイ新書)
「本みりんの調理特性に関する研究(第2報) : ジャガイモの煮崩れ防止効果
The Effect of Ethanol on the Collapse of Cooked Potato」日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan 33(2), 178-184, 2000-05-20
関連記事:
根菜(ごぼう、人参、レンコン)の煮物を美味しく作る方法を味覚センサーで検証!
【朗報】アク取り作業は逆効果だったことが味覚センサーで証明される
味の相互作用から考える、料理に砂糖を入れすぎたときの対処法2