松茸の保存は「スライス状で冷凍保存」が適切

秋刀魚や栗、サツマイモがある中で、松茸は秋の味覚の代表的存在ですよね。外食だけでなく、ご家庭で楽しむ方もいらっしゃるでしょう。

ご家庭で食べる場合、もちろん新鮮な状態で食べたいものですが、なかなか食べきれない場合もあるかと思います。

そんな松茸の適切な保存方法はご存知ですか?

松茸はスライス状にして冷凍保存が推奨されている!

松茸の名産地長野県辰野町では松茸の供給、特に松茸の旬でない時期や凶作のときに、安定的に供給することが課題となっていました。そのため、どのような保存方法が適切なのかについて研究がなされました[※]。

結果として、そのままであったり、加工した状態であったりするよりも、生のままスライス状にしたうえで冷凍保存することが良い状態で保存できることが明らかとなったんです。

冷凍保存は業務用の方が望ましいとは言われているものの、家庭用の冷蔵庫の冷凍室くらいの温度でも統計学的有意差はなく、遜色なく使用できます。また、解凍には電子レンジなどよりも流水で解凍する方が、良い状態で食べることができます。

長期保存したものはすまし汁がオススメ

松茸は高価なものですから、もったいなくて食べるタイミングを見失うこともありますよね。時間の経ってしまった松茸はすまし汁にするのが良いそうです。

先ほどの研究で、12ヶ月経った松茸を調理し色や香り、触感を調査したところ、香りは落ちるものの、すまし汁の評価が高かったそうです。一方で、生はあまりオススメできません。

ただし、冷凍保存といっても美味しい状態で保存できる期間に限界はあります。

松茸は高価なものなので、「今は食べ時じゃない!いいことあった日に食べよう!」……とつい考えてしまいますが、なるべく新鮮なうちに食べきって、余ってしまったらスライスして冷凍保存。冷凍後も、早めに食べるようにしましょう。

 

参考:
大日方洋、金澤文義、三澤保徳、酒井光正、一ノ瀬郁也「松茸の保存方法」長野県工業技術総合センター研究報告 (7), 202-207, 2012

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