熱中症や夏バテの予防に、水分補給はとても大切です。かといって、闇雲に飲み物を飲んでいると、夏バテを促進してしまう恐れも。
そんな夏におすすめなのが、トマトジュースです。
夏場、こんな飲み物はNGかも
暑いとどうしても冷たい飲み物が欲しくなりますよね。しかし、冷たい飲み物の飲みすぎはかえって夏バテを悪化させる恐れもあります。
冷たい飲み物を飲みすぎて体が冷えてしまうと、血流が悪くなります。それにより栄養素や酸素の運搬が滞ると、細胞が栄養をエネルギーに変換できなくなったり、 “代謝産物”が溜まって筋肉が硬直し、体のだるさを引き起こします。また、胃腸の働きの低下につながり、体力の低下を招くことも[*1]。
また、コーヒーや緑茶は体を冷やす飲み物。「ポリフェノール酸化酵素」という代謝を助ける酵素が含まれていないため、夏場にこうした飲み物ばかり飲むのはあまり良くないかもしれません。
さらにコーヒーはカフェインが多く利尿作用があるので、汗をたくさんかいたあとなどの「水分補給」という面ではあまりよくないと言われます。
夏の水分補給には、トマトジュースを。
トマトは、たくさんの栄養素が含まれていることで有名な野菜です。
トマトの栄養素といえば、リコピン。リコピンの抗酸化作用は、βカロテンの2倍、ビタミンEの100倍とも言われ[*2,3]、その強い抗酸化力に期待が集まっています。リコピンと同じくカロテノイドの一種であるβカロテンも、トマトには多く含まれています。
また、ビタミンCやビタミンE、カリウム、食物繊維なども含まれており、美肌や腸内環境の良化などに役立つのも嬉しいポイントですね。さらに、クエン酸が含まれていることで疲労回復もサポートしてくれます。
カゴメ株式会社による10名を対象にした実験では、自転車エルゴメーターを使った心拍数130程度の運動において、トマトジュース320mlを摂取することで、運動疲労の改善効果が期待できることが示されています[*4]。
また、同じく自転車エルゴメーターを用い、15名の被験者を対象にリコピン15mg含有のトマトジュースを摂取させて運動させる実験でも酸化ストレスが減少するという報告があり、運動疲労の回復効果が期待できることが示唆されています[*5]。
こうしたがっつりした運動時でなくとも、夏場は立っているだけで体が疲れていきますよね。トマトジュースを飲むことで、疲労を改善し、夏バテに負けない強い体を作れるかもしれません。
ちなみにトマトジュースを飲むのは朝がおすすめ。リコピンが体内に吸収される量は朝がもっとも多いそうです[*6]。吸収量の多い順番は朝>夜>昼だそうなので、朝飲めなかった場合は夜に飲むのが良さそうです。
ちなみにトマトジュースの他、栄養が多い甘酒、ミネラルを含む麦茶なども、夏場にはおすすめですよ!
参考:
*1 【注意】冷たい飲み物がかえって夏バテの原因になっていた!?
*2 トマトの栄養「リコピン」
*3 トマトに含まれるリコピンとは?
*4 トマトジュース飲用による運動疲労軽減作用を示唆 ーカゴメ、国際医療福祉大学の共同研究ー |カゴメ株式会社
*5 Tomato juice intake suppressed serum concentration of 8-oxodG after extensive physical activity.
*6 朝にトマトジュースを飲むと機能性成分“リコピン”が 効率的に吸収されることを“ヒト試験”で確認
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