台所には、さまざまな調理道具があります。調理をする際には、道具の形状、大きさ、素材なども重要。作る料理に合ったものを選びたいですよね。
その中でも重要なのがフライパンではないでしょうか。高温で手早く調理する場合、火力が均等にフライパンに分散されないと食材が黒こげになってしまうことも。
今回はフライパンの素材と特徴をざっくり確認してみましょう!
銀製のフライパン・銅のフライパン
銀は、熱伝導率が最も高い金属です。ただ、銀製のフライパンは非常に高価。常に手入れが必要というデメリットもあります。
鉄の次に熱伝導率が高いのが銅ですが、銅はとても重くまたしても高額。銅製のフライパンは、酸に弱いという性質もあります。トマトの酸味が問題になることも。
ただ、この「酸」は銅のフライパンをきれいにする際には非常に役に立ちます。酢やレモンを使うのがもったいなかったら、期限が切れたケチャップでもOK。それを、銅のフライパンの焦げ付いた部分にこすってみれば一目瞭然ですよ!
アルミニウムのフライパン
銅のフライパンは表面に食材が付着しやすいので、これを防ぐためにアルミニウムでコーティング加工してあるものもあります。
すべてアルミニウム製のフライパンも熱伝導率は悪くありません。軽くて使いやすく、レストランの厨房でも使われているのを目にします。
しかしアルミニウムのフライパンは、変形を避け火力が均等にフライパン全体に行き渡らせるために、かなり厚みがある必要があります。厚さがないアルミニウムのフライパンは、一部だけが過熱してしまうんです。
アルミニウムのフライパンの難点は、たんぱく質を含む食材が表面に付着しやすいこと。卵などをきれいに焼くのは難しいでしょう。
そこで登場するのが、テフロン加工のフライパンです。
テフロン加工のフライパン
テフロン加工のフライパンのメリットは、食材が表面にこびりつかず、焦げず、そして油なしでも調理が可能なこと。愛用している方も多いのではないでしょうか。
昨今のテフロン加工のフライパンは、地の色が薄く、バターなど焦げやすい食材を入れても視覚で確認できるようになってきました。
ただし、フォークや金属のフライ返しなどで表面を傷つけたらアウト。買い換えが多いのがテフロン加工のフライパンのデメリットですね。
鉄のフライパン
熱の伝導率という点から見るとあまりメリットがない鉄のフライパンですが、メイラード反応を促進するという点において、肉料理にはもってこいの素材です。
メイラード反応は糖とアミノ酸によって発生する反応で、お肉の焦げ目やごはんのおこげなどが代表的。肉料理を香ばしく美味しくしてくれますよ。
揚げ物にも向いていますが、酸化が早いので食洗機で洗うのはNGです。
ステンレス製のフライパン
ステンレス製のフライパンは丈夫で安価で手入れも楽。とはいっても基本的に熱伝導率が良くないので、フライパンとしてよりも、湯沸かしに使うほうが向いていますね。
鋳鉄のフライパン
ゆっくりじっくり調理をする必要があるときは、鋳鉄製のフライパンが最適です。このフライパンは調理後に注意が必要。急激に冷水などで冷やすと、割れてしまう恐れがあります。
ちなみに、過去アルミニウムはアルツハイマー病を誘発する原因となるといわれていた時代もあります。しかしこの説は現在まで、あらゆる研究から立証されることなく終わっています。アルミニウムのフライパンを24時間熱したあとに調理した食材からも、アルツハイマー病の原因となる要素は発見されなかったそう。
自分で調理器具を買う際は、ぜひ素材にこだわってみてくださいね。
参考:
Le Scienze Numero 557 P.97
Padelle: quale materiale scegliere e perché | Agrodolce
Padelle migliori: quali materiali conviene scegliere?
各種物質の性質 金属(個体)
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