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普通の鍋と圧力鍋、スープをコトコト煮込むなら?

鶏肉、香草、タマネギ、セロリ、ニンジンなどをコトコト煮込むスープ。簡単ではありますが、煮込み時間が長いですよね。

例えば通常の鍋でこれらの肉や野菜を煮込んで本格的にポトフのようなコンソメスープを作ろうとすると、具の旨みがスープに溶け出すまでに4~5時間はかかるのではないでしょうか。

調理時間を短縮するには鍋の中の温度が高いという条件が必要になりますが、普通の鍋で煮込む場合は90度から95度が限度です。

それではここで、調理時間の節約のために圧力鍋を使ってみましょう。

圧力鍋を使用すると、スープから蒸発した水分も外には漏れずに液体に蓄積します。圧力鍋にもよって異なりますが、鍋内の圧力が2気圧程度まで上昇すると温度は120度まで上がります。

この温度であれば、コンソメスープの完成に1時間を要することもありません。言わずもがな、圧力鍋はエネルギーと時間、光熱費の節約になりますね。

同量のコンソメスープを普通の鍋と圧力鍋で作ると?

それでは、水の量や材料の量を調整し、同量のスープをふたつの方法で作ってみるとどうなるのでしょうか。

2種類のコンソメスープの風味は「非常に異なる」と言わざるを得ません。

120度の温度で調理されたコンソメスープは、具材の成分の抽出が急激に行われるので、抽出された成分も普通の鍋で調理されたものとは別の反応を起こします。

例えば香りづけに香草を入れたとしても、120度の高温では風味が破壊されてしまうことがあります。また、普通の鍋で調理すると自然に蒸発していく香草の風味は、圧力鍋で調理した場合には内部に閉じこめられるので、スープの風味には強い影響を残します。

プロの調理人たちの中には、わざと香草の風味を際だたせるために圧力鍋を使うレシピを考案する人もいますが大概、コンソメスープの王道を極めるためには普通の鍋に戻るようです。

ちなみにスイスのローザンヌに本拠地がある大手食品メーカーが、圧力が0.48バール(約0.47気圧)までしか上昇しない程圧力の調理法でコンソメスープを作る実験をしたところ、タマネギや長ネギから、より豊富な硫黄分子が抽出されるという結果に。高圧力では破壊されてしまうはずの分子が、低圧力の調理では抽出される…圧力によってスープの風味や味にも違いが出るんです。

圧力鍋は確かに便利ですが、たまには普通の鍋で長時間煮込んだ料理を作ってみると、その風味の違いに驚くかもしれませんよ。

参考:
La sfida: pentola normale VS pentola a pressione | Ecocentrica
Brodo a pressione – Scienza in cucina – Blog – Le Scienze

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味博士の研究所 編集部

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